カルボン酸ロジウム錯体の積層による機能性細孔の構築
Project/Area Number |
12023251
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
森 和亮 神奈川大学, 理学部, 教授 (60029709)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見澤 聡 神奈川大学, 総合理学研究所, 客員研究員(常勤)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | ロジウム錯体 / カルボン酸錯体 / 機能性細孔 / 気体吸藏 |
Research Abstract |
(1) 本研究では触媒作用をはじめ特異な物性と機能の発現が期待できるロジウムイオンに注目し、そのイオンを骨格の要とする機能性細孔を金属錯体の積層により創成する。 本研究での戦略は、酢酸銅(II)一水和物型の二核構造のカルボン酸ロジウム(II)を基本ブロックとし、それを共有結合、配位結合、分子間結合で積層させて細孔を構築するものである。この方法は他に例をみない独創的なものである。 (2) <3D錯体の合成>ジカルボン酸(テレフタル酸など)錯体に不均一反応によってピラジンを導入した。いずれも、茶色の粉末として高収率で得た。元素分析および、室温での有効磁気モーメント(μ_<eff>)から、ロジウムの二核構造を保ち、ジカルボン酸で架橋された二次元格子を形成していると思われる。ファラデー型磁気天秤を用いてN_2ガスの吸着測定を行ったところ、いずれの錯体も気体を吸蔵することが分かった。ロジウム金属1モルあたり0.8-1.3モルのN_2ガスを吸蔵する。 <0D錯体の合成>酢酸ロジウムとの配位子交換で行い、緑色の結晶として得た。(収率51%)このロジウム(II)錯体がπ-πおよびCH_3-π相互作用で集積し、安定な細孔を形成することが分かった。ロジウム金属1モルあたり0.6モルのN_2ガスを吸蔵する。 <気体吸蔵量と熱的安定>0D-3Dのベンゼン環を有するカルボン酸錯体について窒素ガスの飽和吸蔵量およびTGA測定による分解温度について調べた。3Dではロジウム金属1モル当たり1.3モルの窒素ガスを取り込めるが0Dでは細孔径が小さいため0.6モルと際だって小さい。1Dおよび3D錯体ではピラジン架橋部分の安定性が低く分解温度が低くなる傾向にあるが、いずれも300℃以上の高い安定性を有している。0D錯体では弱い分子間力によって固体構造が保たれているにもかかわらず、最も高い熱安定性を有していた。 (3) 本研究で、ロジウム錯体の集積によって、安定な細孔構造が形成できることがわかった。種々の次元性の構造単位を集積して細孔物質を構築できることが明確となった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(14 results)