線虫の生殖と神経機能に関与する遺伝子のゲノムワイドなスクリーニング
Project/Area Number |
12024204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40192471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國友 博文 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20302812)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 生殖細胞形成 / 生殖腺特異的遺伝子 / 不捻表現型 / RNAi法 / 連合学習 / Ras-MAPキナーゼ系 / 嗅覚 / 化学走性 |
Research Abstract |
近年のゲノム解析技術の急速な進歩により、そこからもたらされる大量の未知遺伝子の機能を明らかにするための方法論が求ゆられている。線虫を用いて生殖と神経機能の2つの重要な生命現象を取り上げ、これらに関わる遺伝子を逆遺伝学の手法を取り入れてゲノムワイドにスクリーニングすることを試みた。 1)生殖細胞形成に関わる遺伝子の検索 cDNAサブトラクション法と小原らのcDNA high density gridフィルターを用いたディファレンシャル・ハイブリダイゼーションにより、生殖腺に特異的に発現する遺伝子を同定した。うち168遺伝子についてRNAi法による機能阻害を行った。この結果、約9%に当たる15遺伝子が不捻の表現型を示し、13遺伝子が胚致死、8遺伝子が幼虫致死を示した。 2)神経可塑性のアッセイ系の構築と感覚神経機能に関わる遺伝子群の機能解析 線虫の化学走性行動を指標に、各種の処理によって行動の可塑性が見られるかどうかを検討した。その結果、以下のような現象を見いだした。通常の線虫はNaClに対して正の化学走性を示す。ところが、NaCl存在下で飢餓を経験させるとNaClへの走性が顕著に低下し、逆にNaClを忌避するようになった。この変化はNaCl非存在下で飢餓を経験させても、NaClと餌が共に存在する状態に置いても起こらない。したがって、NaClと飢餓の組み合わせを学習する連合学習であると考えられる。さらに、化学走性のアッセイによりRas-MAPキナーゼシグナル伝達経路が嗅覚に関与していることを見いだした。匂い物質イソアミルアルコールを野生型の線虫に与えると、10秒以内に嗅覚神経でMAPキナーゼが活性化された。この活性化は環状ヌクレオチド依存性チャネルTAX-2/TAX-4や電位依存型カルシウムチャネルのサブユニットUNC-2の機能に依存していた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)