窒素転流と光合成機能に関わるRubisco分解の分子機構
Project/Area Number |
12025202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前 忠彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60134029)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
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Keywords | Rubisco / 活性酸素 / 断片化 / 光ストレス / 光合成 / 酸化ストレス / 葉緑体 |
Research Abstract |
葉緑体に局在するglutamine synthetase(GS2)が、Rubiscoと同様に活性酸素により光照射下の葉緑体あるいはその破砕液中で部位特異的に断片化されることを先に示唆した。今年度はGS2を精製してヒドロキシルラジカル発生系に曝し、その場合の断片化と光照射下の葉緑体での断片化を比較した。ヒドロキシルラジカルに曝した場合に生じた精製コムギGS2のフラグメントは、光照射下のコムギ葉緑体あるいはその破砕液に見出されたフラグメントと同じであった。GS2も活性部位に金属結合サイトを有していることから、Rubiscoの場合と同様に、GS2の金属結合サイト近傍で生じたヒドロキシルラジカルが部位特異的な断片化を引き起こしていると考えられた。 光照射下のチラコイド膜で生じた過剰の還元力がFe^<2+>とH_2O_2を生成し、Rubiscoの活性化部位に結合したFe^<2+>とH_2O_2からヒドロキシルラジカルがその近傍で生じ、それらがRubiscoの大サブユニットのGly-329を攻撃し、部位特異的に断片化することを先に提唱した(Ishida et al.,1997,1998、1999)。Rubiscoが直接、活性酸素により分解されることを示したのは、本研究が初めてである。そして今年度の実験により、GS2も同様の機構で断片化されることが明白となり、活性酸素種による葉緑体タンパク質の直接的な断片化はRubiscoに限られた現象ではないことが示された。 2.Desimoneら(1998)はオオムギ葉からの葉緑体を用いた実験から、Rubiscoが活性酸素により変性し、変性したRubiscoがATP依存的に葉緑体プロテアーゼによって分解されると報告している。同様な分解がコムギ葉緑体でみられるかを検討したところ、RubiscoがATP依存的に分解されることはなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)