核コードシグマ因子による葉緑体光合成遺伝子の日内発現制御機構
Project/Area Number |
12025212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
青木 摂之 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助手 (30283469)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | ヒメツリガネゴケ / 色素体シグマ因子 / 遺伝子破壊 |
Research Abstract |
植物の核コード色素体σファクターは、発現後に色素体に移行し、色素体コードRNAポリメラーゼ(PEP)のプロモーター選択性を調節すると考えられる。バクテリアのσファクターの機能から類推して、色素体σファクターは、多様なシグナルに応答する色素体遺伝子発現の重要な調節因子と考えられる。私たちは、新たなモデル植物として期待されるヒメツリガネゴケを用いて、σファクター遺伝子のクローニングと基本的な特徴付け、さらに機能研究の第一歩としての遺伝子破壊を試みた。 我々はまず、コケのσファクター(PpSIG1とPpSIG2)をコードするcDNA(PpSig1とPpSig2)と、それらに対応する核ゲノム遺伝子(sig1とsig2)をクローニングした。系統学的解析により、PpSIG1、PpSIG2は、高等植物のSigB、SigAグループにそれぞれ属することが明らかになり、コケと高等植物の共通祖先において既に高等植物にみられるσファクターの多様化がすでに始まっていたことが示唆された。GFP実験によりPpSIG1とPpSIG2が共に葉緑体に局在することを明らかにし、両者がいわゆる「色素体σファクター」であることを確認した。sig1とsig2の発現量が共に光に応答して増加することから、PpSIG1とPpSIG2は葉緑体遺伝子の光応答発現の制御に関わることが示唆された。さらに、nptII遺伝子カセットの挿入によるsig1の遺伝子破壊株の作製を試み、十分数の候補株を得た。これらの成果の一部を、二本の論文にまとめた(一本は投稿中)。 このように、コケを用いて色素体σファクターの機能解析を行うための基礎を確立した。今後、相同組換えを利用し、両遺伝子の破壊、過剰発現を試み、その影響を形質転換体と野生型株で比較することにより、色素体σファクターの機能解明が可能になると考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)