光合成機能の獲得に伴う色素体及びミトコンドリアの転写複製活性の変化とその制御
Project/Area Number |
12025220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
酒井 敦 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (30235098)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | トウモロコシ / C_4植物 / CO_2補償点 / PEPC / Rubisco / 老化 / アラビドプシス / DNA ポリメラーゼ |
Research Abstract |
トウモロコシは典型的なC_4植物であるが、葉位あるいは葉の発達・老化段階に依ってはC_3的な光合成特性を示すと報告されている。トウモロコシ芽生えの各葉について、クロロフィル含量が最大になる時期のCO_2補償点を測定した結果、第一葉、第二葉、第三葉いずれもC_4植物に特徴的な低い値を示したのに対し、幼葉鞘は極めて高い値を示した。組織切片観察の結果、幼葉鞘にはC_4植物に特徴的なクランツ構造がなく、C_4光合成に必要なC_4型PEPCのmRNA及びタンパク質も検出されなかったことから、幼葉鞘はC_3型の光合成を行っていることが示唆された。次に第一葉の成熟/老化過程における光合成特性の変化を解析し、CO_2補償点は葉の成熟につれ低下し、老化に伴って高くなることを明らかにした。組織切片観察の結果から、維管束鞘細胞よりも葉肉細胞の方が早く葉緑体が退化すること、またwestern解析の結果から、維管束鞘細胞で働くRubiscoよりも葉肉細胞で働くC_4型PEPCの方が早く分解/消失することが示された。これらの結果から、トウモロコシの老化葉がC_3的な光合成特性を示すのは、CO_2を濃縮する役割を果たしている葉肉細胞が維管束鞘細胞よりも早く老化し、機能を失うためと推測された。また、RT-PCRによりパクテリアのDNA polymerase Iとの類似性が認められるアラビドプシス遺伝子の単離を行い、この遺伝子産物が葉緑体へ移行するためのトランジットペプチドをもち、DNA polymerase IのN末端側にあるエキソヌクレアーゼ活性部分のみをコードしていることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)