Project/Area Number |
12026214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門松 健治 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80204519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 寿子 名古屋大学, 医学部, 講師 (50182134)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | ミッドカイン / LRP / LDL受容体 / PTPζ / PI3K / MAPK / コンドロイチン硫酸 / Src |
Research Abstract |
ヘパリン結合性成長因子ミッドカイン(MK)は神経細胞、骨芽細胞の細胞移動促進能を有する。MK蛋白が胎生期脳のradial glial process(神経幹細胞が分化し脳室側から外側へと移動する道筋となる)に局在する事実と考え合わせると、個体発生過程での細胞移動の促進がMKの生物学的機能の大きな根幹をなすことが考えられる。そこで1)MKによる細胞移動の分子機構の解明2)MK受容体候補p400+の同定の2つを主な目的として研究を推進した。 細胞移動は基質に固層化されたMKによるものでいわゆるhaptotaxisであった。その際、多硫酸化されたコンドロイチン硫酸鎖を有する蛋白チロシンフォスファターゼPTPζが細胞表面受容体として働く可能性が強く示唆された。細胞内シグナルの伝達機構としてSrc、PI3K、MAPKの順番のカスケートがあった。またPDGFとの相乗効果を見出した。MKの細胞移動促進は癌細胞にとどまらず、血管再狭窄など組織再構築における中心的な機能であった。 p400+はヨードラベルしたMKと化学的にクロスリンクされる。マウス線維芽細胞L細胞を材料に、p400+を精製し、ペプチドシークエンスしたところLRP1(LDL受容体ファミリーに属し、リポタンパクなど多種のリガンドのエンドサイトーシスを行う受容体)と一致した。LRP1欠損線維芽細胞(PEA13)ではヨードラベルしたMKとの化学的クロスリンクでp400+が検出されないことから、p400+がLRP1であることを同定した。LDL受容体ファミリーは従来エンドサイトーシスを専門に行う受容体とされてきたが1999年2000年に相次いでこれに属するメンバーが細胞内にシグナルを伝えるのに必須であることが2種のリガンドについて報告されてきた。神経幹細胞の移動分化に重要なReelinに対してVLDLR/ApoER2、体軸形成などに重要なWntに対してLRP6が報告されている。これらのリガンドはさらにもう一つシグナル伝達に必須の受容体を持つことが特徴で、ReelinにはCNRs、WntにはFrizzledがある。従ってMKについてもLRP1に加えてもう一つの受容体との複合体の存在を予測しており、今後さらにその機構を明らかにしていきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)