新しいエストロゲン受容体標的遺伝子の同定とその生体での機能解析
Project/Area Number |
12028207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 聡 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (40251251)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 転写因子 / 核内受容体 / エストロゲン受容体 / 標的遺伝子 / トランスジェニックラット / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
本研究の目的は、1)核内受容体としてのエストロゲン受容体(ER)α、ERβ受容体の下流に存在する標的因子群の性状を分子レベルで解明し、2)遺伝子改変動物を用いて生物の個体レベルでERα、ERβ受容体ならびにその標的遺伝子の機能を解析することにより、転写因子としての両受容体の生理的役割、生物学的意義を明らかにすることにある。われわれは、転写因子の標的遺伝子を同定するためgenomic binding-site cloning(GBS)法を応用してRINGフィンガーモチーフを有するestrogen-responsive finger protein(efp)、NMDA受容体2D、女性生殖器の腫瘍マーカーと考えられるEBAG9などのエストロゲン受容体標的遺伝子の単離、同定を行っている。本年度の研究成果は,1)エストロゲン応答遺伝子NMDA受容体2D、EBAG9の生物個体レベルでの機能解析:GBS法によって同定されたNMDA受容体2D、EBAG9に関し、第一にNMDA受容体2Dノックアウトマウスを用いてin vivoでのエストロゲン応答の意義、特に性機能、性行動への関与につき検討したところ、雌の性行動の誘導においてエストロゲン低応答性が見られた。また、各種癌組織において顕著に発現を認めアポトーシスを誘導することが判明したEBAG9については、マウスのcDNA、ゲノムの構造を決定し、子宮におけるエストロゲン誘導性を示した。2)エストロゲン受容体のドミナントネガティブ体ERα1-535を導入したトランスジェニックラットを作製し、骨代謝において、エストロゲンに対する応答が低下していることを示した。このトランスジェニック動物では、エストロゲンに対する標的遺伝子の応答が低下しているものと考えられ、エストロゲン受容体標的遺伝子の生体内での機能解析に有用なモデル動物が開発された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)