造血細胞の増殖・分化におけるGATA-1活性の制御機構の解析
Project/Area Number |
12028222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松村 到 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00294083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 等 大阪大学, 医学系研究科, 助手
池田 弘和 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10311755)
金倉 譲 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20177489)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 巨核球 / 分化 / 転写因子 / GATA-1 / PU.1 |
Research Abstract |
GATA-1は赤巨核球系特異的な転写因子であり、これらの細胞の発生に必須の役割を担う。本研究では、血液細胞の系統決定におけるGATA-1の機能及びその分子機構について検討を行った。 骨髄系細胞株M1はIL-6によるマクロファージへの分化誘導とアポトーシス誘導のモデルとして用いられている。このM1にGATA-1を導入すると、M1の系統は骨髄系から赤巨核球系へと変化した。また、GATA-1導入M1ではIL-6によるマクロファージへの分化誘導、アポトーシス誘導が共に阻害された。この機構として、GATA-1はサイクリンD1とbcl-2の持続性発現を介してIL-6の作用を阻害すると考えられた。 トロンボポエチンによる巨核球の分化誘導にはRasの活性化が必須である。しかし、Rasの活性化は多くの場合、細胞増殖に関与しており、Rasに反応して巨核球への分化が誘導されるためには特定の細胞内分子が必要と考えられた。実際、赤巨核球系細胞株K562、F-36Pに活性型Rasを発現させた場合、巨核球への分化が誘導されたが、骨髄系細胞株32Dでは細胞増殖が誘導されたのみであった。一方、32DにGATA-1を導入した場合、GATA-1は32Dの系統を赤巨核球系に変化させ、GATA-1導入32Dは活性型Rasに反応して成熟巨核球に分化するようになった。このクローンにおいて、GATA-1は32Dに元来発現していた骨髄系転写因子PU.1、c-mybと直接的に結合し、これらの分子の機能を阻害していた。また、PU.1の機能を阻害しない変異GATA-1では32Dの系統を赤巨核系に変化させる能力が減弱していた。 これらの結果から、GATA-1が造血細胞の系統を決定する際には、転写因子としての機能するのみでなく、蛋白蛋白の相互反応を介して他の系統特異的な転写因子の活性を阻害することが重要であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)