RNAポリメラーゼIIを中心とした蛋白質相互作用による転写調節機構の解析
Project/Area Number |
12028236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
木村 誠 国立遺伝学研究所, 分子遺伝研究系, 助手 (00290891)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 分裂酵母 / RNAポリメラーゼ / 蛋白質相互作用 / 転写因子 / ホスファターゼ / マスフィンガープリント / 緑色蛍光蛋白質 |
Research Abstract |
1.RNAポリメラーゼII(RNAPII)を構成するRpb1-Rpb12の12種類のサブユニット蛋白質の分裂酵母細胞内での存在状態について以下の研究を行った。(1)RNAPII各サブユニットに対する抗体を利用し、増殖期にある酵母細胞内の各サブユニット蛋白質の分子数を定量した。各サブユニット蛋白質は、RNAPI、IIIとの共通性を考慮しても発現量が揃っておらず、サブユニット集合の核になるRpb3が最も少なく、調節的な機能をもつRpb4が最も多い。(2)細胞抽出液の密度勾配遠心により、発現量の最も少ないRpb3は殆どRNAPIIに集合しているが、その他のサブユニットはRNAPIIへの集合状態と乖離状態の両方で存在していることを示した。これにより1細胞当たりのRNAPII分子数は約1万と決定された。(3)遺伝子置換により、Rpb1、3、4を緑色蛍光蛋白質との融合蛋白質として発現する分裂酵母株を作製し、蛍光顕微鏡でその局在を観察した。Rpb1、3は核内のヌクレオソーム領域に局在するが、Rpb4は核と細胞質の両方に存在することが判った。 2.RNAPIIと相互作用する蛋白質因子を単離・同定するため、遺伝子置換法によりFLAG-タグが付加されたRpb3を発現する酵母株を作製し、タグに対する抗体を利用して、RNAPIIを含む複合体を単離した。その際、細胞抽出液の調整方法を検討し、細胞内でRNA合成途中にあったリン酸化型RNAPII、DNAから遊離していた非リン酸化型RNAPII、それぞれを含む複合体を分離した。後者の複合体中の蛋白質は質量分析により、基本転写因子TFIIFとRpb1のC末端領域(CTD)特異的ホスファターゼFcp1であると同定された。これは新規の複合体である。また、分裂酵母のTFIIFが高等動物型ではなく、予想に反し、出芽酵母型の3サブユニット構成であるという新知見も得た。さらに、組換えFcp1蛋白質を用いた解析でRNAPIIとFcp1が直接結合することを確認した。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)