大腸菌secG-IeuUオペロンの発現調節に関する研究
Project/Area Number |
12029205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西山 賢一 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80291334)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | SecG / IeuU / ロイシンtRNA / 大腸菌 / 蛋白質膜透過 / 蛋白質合成 / オペロン / リファンピシン |
Research Abstract |
SecGは大腸菌における分泌蛋白質の細胞質膜透過に関与する膜内在性因子であり、secG遺伝子破壊株では膜透過阻害が起こり低温感受性となる。一方、IeuU遺伝子はロイシンコドンCUC、CUUに対応するtRNAをコードする。大腸菌ではロイシンCUC、CUUに対応するtRNAはIeuU遺伝子産物のみであると考えられており、IeuU遺伝子は生育に必須であると考えられる。secG遺伝子とIeuU遺伝子の間はわずか10塩基であり、これらはオペロンを形成している可能性が考えられていた。secG-IeuU遺伝子の発現機構を調べた結果、以下の知見が得られた。secG遺伝子のORFとIeuU遺伝子を含むDNA断片をアラビノースプロモーター支配下に配置したプラスミドpAG3では、アラビノースを添加したときのみSecGの発現が誘導された。pAG3存在下でsecG-IeuU遺伝子を破壊すると、アラビノース存在下では野生株並に生育したが、アラビノースを枯渇させると致死的となった。secG遺伝子のみを破壊すると低温感受性となるため、IeuU遺伝子は生育に必須な遺伝子であることが判明した。このことは、さらに、secG遺伝子内部にはIeuU遺伝子のプロモーターは存在しないことを示しており、secG遺伝子とIeuU遺伝子はオペロンを形成することが証明された。secG遺伝子、IeuU遺伝子に特異的なプローブを調製し、ノーザンブロッティングにを行ったところ、どちらのプローブとも反応する約600塩基からなるRNAが検出された。したがって、このRNAはSecGのmRNAであり、ロイシンtRNAの前駆体でもあることが明らかとなった。リファンピシンを加えてRNA合成を阻害すると、このRNAは速やかに分解した。半減期は約2-3分であり、非常に不安定なRNAであることが判明した。また、このRNAは5'末端(secG遺伝子側)から分解が進むことも明らかとなった。これらの知見については、現在論文作成中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)