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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
真核細胞およびそのウイルスの遺伝子発現で重要な役割を演じているmRNA5′-キャップ構造の生合成機構について,酵素化学的並びに分子遺伝学的解析を行った. 1.細胞のキャッピングシステム:Xenopus laevisよりmRNAキャッピング酵素遺伝子(xCAP1a,xCAP1b)ならびにmRNA(グアニン-7-)メチル基転移酵素遺伝子(xCMT1)を単離し,その構造と酵素活性について検討した.xCAP1aタンパク質は,ヒトをはじめとするキャッピング酵素と高度に類似したアミノ酸配列を持ち,N末端側にRNA5′-トリホスファターゼドメイン,C末端側にグアニル酸転移酵素ドメインを有するbifunctional enzymeであった.また,これまで明らかでなかった植物の遺伝子としてrice mRNAキャッピング酵素遺伝子(OsCAP1)を単離することに成功した.OsCAP1は,ヒトをはじめとする動物型酵素に分類され,1本のポリペプチド鎖上に上記と同様の2つの酵素活性ドメインを有していた.OsCAP1の持つRNA5′-トリホスファターゼ活性は,RNA5′末端のγ位リン酸を特異的に水解し,モノヌクレオチドには作用しないという特徴を有していた. 酵母キャッピング酵素βサブユニット遺伝子(CET1)の温度感受性変異体(ts変異体)を7種類分離した.このうちの一部は,RNA5′-トリホスファターゼ活性に必要な部位にアミノ酸変異が入っっておりin vitroにおいて酵素活性はts性を示した.また一部(G527D,S419L,T396I)は,in vitroでの酵素活性には影響ないが,細胞は温度感受性を示した.このことは,これらのアミノ酸が,RNAトリホスファターゼ活性以外のCet1の必須機能に関与することを示している. RNAポリメラーゼII(polII)転写開始複合体を活性状態で分離し,その中にキャッピング酵素およびmRNA(グアニン-7-)メチル基転移酵素が特異的に組み込よれていること,またキャッピング酵素はCTDがリン酸化されたpolII(polIIo)に特異的に結合することを免疫化学的,酵素化学的に示した.2.ウイルスの転写-キャッピングシステム:センダイウイルスのin vitro mRNA合成は,ほぼ完全に宿主因子の存在に依存する.宿主因子を高度に精製し,それが少なくと4種類の因子からなることを明らかにした.この内の2つについて,チューブリンおよび解糖系酵素のホスホグリセリン酸キナーゼ(PGK)であることを同定した,チューブリンの作用の一つとして,ウイルスMタンパク質をウイルスRNPから除去することにより転写開始を活性化する事を見いだした.さらに,ウイルスRNP中にキャップメチル化酵素が存在することを酵素化学的に明らかにした.
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