Project/Area Number |
12030223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
山田 武範 東京理科大学, 理学部, 教授 (50027330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 由紀 (国岡 由紀) 東京理科大学, 理学部, 助手 (10318199)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | ミオシン / 原子間力顕微鏡 / エネルギー変換 / 一分子解析 / 組み換えタンパク / 筋分子モーター |
Research Abstract |
本研究では、ミオシンヘッドの運動にともなう微小な構造変化を検出し、同時に蛍光性ATP分子の結合・解離を観察することにより、ミオシンヘッドにおける化学反応・力学反応の関係を測定することを目標とした。 そのため、現有の原子間力顕微鏡(AFM)に、まず、ナノメートル精度で駆動できるステージを組み込んだ。次に、単一蛍光分子が2波長で観察可能となるよう、レーザー、フィルター・ミラー類、微弱光検出システムを組み込んだ。 以上のように改良をした装置で、微小変位計測と微弱光検出が同時にできることを確認した。 次に、試料の固定方法を検討した。AFM探針と試料基板の間に、非特異的相互作用がないよう、両者ともマイナス電荷を持つよう化学処理をした。しかし、この処理をした場合でも、アプローチの際の押し込み量が大きいと、AFM探針と基板の間に結合力が生じることがわかった。このため、これを回避するためのアプローチ方法を工夫し、2000年9月の生物物理学会で報告した。 こうして、まず、試料基板に遺伝子操作で特異的結合部位を導入したミオシンヘッドを使って、ミオシンヘッドをネック部分で特異的に結合させ、これに蛍光性ATPを加えて観察を行った。その結果、蛍光性ATPが基板に結合して輝点として観察できる場所にミオシンヘッドが結合していることを確認できた。次に、ステージを微小にスキャンさせそのミオシンヘッドの場所に探針をゆっくり近づけた。探針がステージとともに動き始めたところで、探針をわずかに押し込み、その後引き上げる。こうしてミオシンヘッドに微小な張力をかけ、ブラウン運動を抑えた状態で、連続測定が可能となった。この測定方法について、2001年3月の応用物理学関連連合講演会で報告する予定である。まだ実験の試行回数が少ないが、このまま試行を繰り返せばミオシンヘッドの化学・力学相関に関する情報が得られると期待できる。
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