Project/Area Number |
12031201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
瀬尾 寿美子 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70311529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木山 博資 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00192021)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 神経損傷 / DINE / メタロプロテアーゼ / 神経細胞死 / 神経細胞特異的プロモーター / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
神経損傷応答遺伝子として得られたメタロプロテアーゼDINE(Damage induced neuronal endopeptidase)の解析を行った。昨年度までに我々はDINEが中枢・末梢神経系の軸索障害に対して鋭敏に発現応答すること、細胞死防御活性を持つことを明らかにしている。今年度はこの点に着目し、(1)神経細胞死防御のための細胞内シグナリング、(2)DINE遺伝子の5'上流領域の解析を行った。 (1)DINEを介した細胞内シグナリング 神経細胞でのDINE過剰発現を目的として、DINEを組み込んだアデノウイルスを作製した。神経細胞により近い分化PC12細胞にこれを過剰発現させたところ、NGF除去後のアポトーシスが有意に抑制された。これはDINEによりプロセッシングを受けた未同定の基質が、G蛋白共役型受容体を介して生存シグナルを活性化させるためであることが明らかになった。しかし、DINEの基質は未だ不明であること、DINE以外の生存シグナル活性化分子は極めて多く報告されていることから、DINE特有の機能を明らかにすることが今後の課題として残された。 (2)DINE遺伝子5'上流領域の解析 様々な長さのDINE遺伝子5'上流領域をレポーター遺伝子に結合させたコンストラクトを作製し、神経細胞、非神経細胞におけるプロモーター解析を行った。この結果、極めて特異的に神経細胞にプロモーター活性を示すことが明らかになった。同様のアデノウイルスを作製し、初代培養系やラット大脳皮質への遺伝子導入実験を行った結果、神経細胞特異的発現が証明された。さらに、サイトカイン刺激によりDINEプロモーター活性が上昇することから、これが神経障害後の鋭敏な発現応答の一因と考えられた。以上のことは、グリア細胞などが混在する神経系において、損傷を受けた神経細胞に標的を絞った遺伝子導入が可能となることを示唆するものである。
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