線条体由来非蛋白性物質によるドーパミンニューロン死の制御
Project/Area Number |
12031210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤池 昭紀 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80135558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久米 利明 京都大学, 薬学研究科, 助手 (10303843)
香月 博志 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (40240733)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 一酸化窒素 / グルタミン酸 / 神経細胞死 / 神経保護因子 / ステロイド / 線条体条件培地 / 胎仔血性 / パーキンソン病 |
Research Abstract |
グルタミン酸-NO系により誘発されるドーパミンニューロン死を制御する因子を明らかにする目的で、黒質線条体切片共培養系におけるドパミンニューロン死の解析および牛胎仔血清(FCS)に含まれる神経保護活性物質の探索を行った。ラット新生仔から黒質および線条体切片を静置界面培養することにより、黒質ドパミンニューロン由来線維の線条体への投射が観察された。黒質と線条体との共培養用によりドパミンニューロンはグルタミン酸およびNOドナーにより誘発される神経毒性に対して抵抗性を示すようになった。スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の変化を調べたところ、黒質線条体の共培養によりSOD活性が増加し、共培養によりCu/Zn SODが増加するのに対してMn SODは変化しなかった。以上の結果は、黒質のドパミンニューロンが線条体に投射することにより活性酸素種の除去能が増大し、グルタミン酸神経毒性に対する抵抗性が増大することを示唆する。ついで、昨年度に精製・単離に成功したFCSのエーテル抽出物由来非蛋白性神経保護活性物質の構造決定を試みた。本化合物はグルタミン酸およびNOドナーのS-nitrosocysteine(SNOC)誘発神経毒性を抑制した。分子量は382であり、MS/MSの解析により分子量250前後の安定したフラグメントイオンが検出されることやHPLCでの抽出の際にステロイドに類似した挙動を示すことなどから、17位の置換基にスルホキシドを含む新規のステロイドであると推定した。しかし、推定構造と同一の化合物の合成が困難であったことなどから構造的に近似した化合物を合成してNMR解析を行った結果、本化合物の基本骨格はステロイドではないことが明らかになった。そこで、150LのFCSから抽出を行い約1mgの精製資料を得ることに成功し、NMR解析を行った。その結果、本化合物の基本骨格はステロイドではなくテルペン様の構造を有しており、スルホキシドを含む特有の置換基を持つ新規化合物であることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)