神経栄養因子による中枢神経細胞死の防御における細胞内シグナルの解析
Project/Area Number |
12031212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
畠中 寛 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (60208519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅司 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (90304055)
池内 俊彦 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20093362)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | BDNF / アデノウイルス / チロシンリン酸化 / SHP-2 / チロシンフォスファターゼ / 大脳皮質 / ニューロトロフィン / 神経細胞死 |
Research Abstract |
培養下の大脳皮質ニューロンにアデノウイルスを感染させたところ、1日後よりその発現が観察された。BDNFによってチロシンリン酸化される細胞内蛋白質への効果を調べるために、BDNF添加前と添加後とで細胞内蛋白質を抽出し、抗リン酸化チロシン抗体でウェスタンブロティングを行った。その結果、C/S mutantを発現させた大脳皮質ニューロンにおいては、2種の蛋白質においてのみチロシンリン酸化の増強が観察された。この結果は、Shp-2が特定の蛋白質を基質としており、その基質特異性が高いことを示している。続いて、Shp-2と会合している蛋白質への効果を明らかにする目的で、抗Shp-2抗体を用いて免疫沈降を行い、抗リン酸化チロシン抗体でウェスタンブロティングを行った。その結果、C/S mutantを発現している大脳皮質ニューロンでは、少なくとも4種の蛋白質のチロシンリン酸化が増強していた。これらの蛋白質はShp-2の基質と考えられる。そのなかで、68kDa付近の蛋白質は、その分子量から推測すると、Shp-2自身と考えられた。また、83kDa付近の蛋白質はBIT/SHPS-1と考えられた。そこで、BIT/SHPS-1のチロシンリン酸化状態を、同様に抗BIT/SHPS-1抗体を用いて調べたところ、C/SおよびΔP mutantを発現している大脳皮質ニューロンにおいてそのチロシンリン酸化が顕著に増強していた。このことは大脳皮質ニューロンにおいてShp-2はBIT/SHPS-1を基質としていることを示している。これら以外の2種のリン酸化蛋白質は現在のところ不明である。一方、Trkのチロシンリン酸化については、Shp-2のwild typeおよびC/S mutantは影響を及ぼさなかった。さらにGrb2と結合している蛋白質のチロシンリン酸化状態についても解析したが、それらの蛋白質のチロシンリン酸化状態には、違いは観察されなかった。このことは、Shp-2はTrkやGrb2と相互作用しうることが報告されているが、TrkやGrb2と結合しているリン酸化された蛋白質を基質としていないことを示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)