RPA1による-786C変異型eNOS遺伝子転写抑制機構の解明
Project/Area Number |
12032209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
斎藤 能彦 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30250260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 道博 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (30264295)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | eNOS遺伝子 / 遺伝子多型 / サプレッサー / 冠攣縮性狭心症 / RPA1 / NOx |
Research Abstract |
我々は、熊本大学循環器内科との共同研究で冠攣縮性狭心症の病因にeNOS遺伝子異常が深く関与していることを報告してきた。冠攣縮性狭心症と強い関連を示す(Odds ratio 5.7)eNOS遺伝子5'転写調節領域のT-786C変異の機能解析を行った結果、変異型遺伝子にサプレッサーが結合し、eNOS転写活性を低下させている実験結果を得た(Circulation 1999)。更にこのT-786C変異に結合する蛋白質を精製した結果、目的の蛋白質は、ヒトではDNA修復に与るreplication protein A1(RPA1)と同一蛋白質であった(Human Molecular Genetics2000)。T-786C変異がeNOS遺伝子発現低下に関係していることを、in vitro in vivoの双方で検討し、以下の実績を得た。 1.T-786C変異配列のサプレッサーエレメントとしてのin vitroでの証明 eNOS遺伝子5′転写調節領域1.6kbpをルシフェラーゼリポーター遺伝子に結合し、T-786C変異部位を中心に11bp欠失させたところ、ルシフェラーゼ活性は野生型のレベルまで回復した。またSV40の5′基本転写調節領域を結合させたリポーター遺伝子に、T-786C変異部位を中心にした20bpのオリゴヌクレオチドを3つタンデムに結合させるとそのリポーター活性は低下した。これらのことからT-786C変異配列がサプレッサー配列であることがわかった。また、RPA1の翻訳開始点を含む領域のアンチセンスオリゴヌクレオチドをHUVECにトランスフェクションするとeNOS遺伝子の転写活性を抑制した。 2.T-786C変異配列のサプレッサーエレメントとしてのin vivoでの証明 -786C変異型胎盤と野生型胎盤を用いてeNOS遺伝子発現とRPA1の蛋白発現を検討すると、両遺伝子型にてRPA1の発現量には差がなかったが、eNOSmRNA発現は変異型胎盤にて有意に低下していた。また、血中NOx濃度を両遺伝子型で検討すると変異型の症例の方が血中NOx濃度が有意に低下していた。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)