低分子量G蛋白質とその標的蛋白質による血管構築の分子機構
Project/Area Number |
12032214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝淵 弘三 名古屋大学, 医学部, 教授 (00169377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 睦紀 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90304170)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 低分子量G蛋白質 / Rac / Cdc42 / Rho / IQGAP1 / カドヘリン / 細胞間接着 |
Research Abstract |
血管構築の分子機構は、動脈硬化病変に基づく虚血性心疾患の病態を理解する上で重要な役割を果たしている。血管の管腔形成にはhepatocyte growth factor(HGF)などの外界刺激により、細胞間接着が再構築されることが必須である。この細胞間接着はカドヘリンにより形成され、β-カテニンとα-カテニンにより裏打ちされることにより強い接着能を示すことが知られている。しかし、これらの細胞間接着がどのような細胞内シグナル伝達により制御されているかは不明であった。私共は低分子量GTP結合蛋白質のRhoファミリーに属するRacとCdc42の標的蛋白質IQGAP1がβ-カテニンと直接結合し、カドヘリン・カテニン複合体からα-カテニンを解離させることにより細胞間接着を負に制御することを明らかにした。また、活性型RacとCdc42は、IQGAP1のβ-カテニンへの結合を阻害することにより、IQGAP1の機能を阻害し、細胞間接着を正に制御することも明らかにした。さらに、このRac/Cdc42/IQGAP1による細胞間接着の制御システムがHGFの下流で、実際にcellscattering(細胞分散)時の細胞間接着の破壊時に機能していることを明らかにした。また、RacとCdc42の活性化動態を特異的にモニターするassay系の開発に成功し、細胞間接着の再構築時におけるRacとCdc42の活性動態を明らかにした。 血管の構築には、血管内皮細胞などの細胞間接着の再構築や細胞運動、細胞遊走による極性形成が必須である。本年度の我々のこれらの成果は血管構築の分子メカニズムを理解する上で極めて重要である。したがって、本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)