Project/Area Number |
12032218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高倉 伸幸 熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (80291954)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 血管新生 / 血管内皮細胞 / 造血幹細胞 / 発生 / TIE2 / アンジオポエチン |
Research Abstract |
造血器官である胎仔の肝臓や成体の骨髄では緻密な血管構築が共通して観察され、さらにこの血管網を造血環境として造血幹細胞の増殖や分化が営まれる。発生をさかのぼれば、造血および血管構築の主役を成す造血幹細胞と血管内皮細胞は、共通祖先細胞であるヘマンジオブラストから分化する。すなわち、この両者は機能的にも発生的にも非常に親密な関係にあり、造血と血管構築の同時発生的機構の分子メカニズムを解析することにより、両者の発生がより詳細になると考えられる。造血幹細胞と血管内皮細胞にはレセプター型チロシンキナーゼであるTIE2が発生初期より両者に共通して発現しており、TIE2の遺伝子ノックアウトマウスでは、造血、血管新生ともに抑制が観察される。そこでこのTIE2を造血と血管新生の共通分子基盤とみなし、本受容体の機能解析を中心に血管内皮細胞による血管構築の分子メカニズムを検討した。TIE2の結合因子であるアンジオポエチン-1(以下Ang1)の刺激はインテグリンを介した、細胞外マトリックスへの細胞接着を誘導し、さらにこのTIE2の活性化はインテグリンの活は化シグナルと協調して細胞死の抑制をもたらす。またTIE2の活性化シグナル単独では細胞周期の遅延化が誘導される。これらの機能は、Ang1を分泌する壁細胞と内皮細胞とのマトリックスを介した接着、そして細胞周期の長い内皮細胞の細胞死を抑制し、血管構造の安定化をもたらすことに関与するものと考えられる。またAng1のアンタゴニストであるAng2はこの内皮細胞と壁細胞の接着を抑制し、血管の発芽に関与することが推測された。発芽を開始した血管分枝が、無血管野に新しい血管網を構築する機序の一つとして、造血幹細胞がまず無血管領域に内皮細胞より先に移動し、Ang1を分泌し、内皮細胞をケモタキシスにより局所に誘導することが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)