Project/Area Number |
12033101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
斎藤 誠一 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80235043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮城 妙子 宮城県立がんセンター, 研究所, 部長 (50006110)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | シアリダーゼ / シアル酸 / 形質膜 / ガングリオシド / リソソーム / 遺伝子導入 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
形質膜局在シアリダーゼおよびリソソーム局在シアリダーゼ遺伝子を用いて、細胞シアル酸のリモデリングを試み、シアル酸およびシアリダーゼの生理的役割の解析を進めた。 形質膜局在シアリダーゼは、ガングリオシドに特異的に作用し、ガングリオシド発現の動態を制御している分子である。この遺伝子をがん細胞に導入すると、アポトーシスの抑制が認められ、がん細胞においてこの酵素が高発現する機構の一部が明らかになった。また、この酵素のトランスジェニックマウスを作成し、個体レベルで解析を行ったところ、25週以降でインスリン抵抗性の2型糖尿病の発症が認められた。形質膜局在シアリダーゼのインスリン情報伝達への関与が示唆された。神経細胞の突起伸長の促進など細胞分化に重要な役割を果たしていることも明らかとなった。単クローン抗体の作成にも成功したので、癌の診断・治療への応用性も検討している。一方、リソソーム局在シアリダーゼについては、細胞への遺伝子導入実験によって、主に糖蛋白糖鎖結合シアル酸の脱シアリル化に関わっている酵素であることが明らかになってきた。先に、培養ヒトがん細胞や大腸がん組織ではこの酵素の発現が低下していることを観察しているので、過剰発現による癌細胞の悪性度の変化を調べた。細胞増殖性や足場非依存性増殖が発現度と逆相関することがわかった。さらに細胞接着にも関与するなど、この酵素がリソソームでの単なる異化作用に与るだけでなく、重要な細胞機能を担っていることが次第に明らかになってきた。さらに、癌や神経疾患などにおけるシアリダーゼ発現異常の解析をを行い、遺伝子導入による糖鎖リモデリングによって正常化を試みるなど、その病態解明と治療法の開発をめざしたい。
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