プロテオグリカン型チロシンホスファターゼPTPζの神経機能調節機構
Project/Area Number |
12033220
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
前田 信明 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (90202308)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
|
Keywords | プロテオグリカン / PTPζ / プレイオトロフィン / ミッドカイン / コンドロイチン硫酸 / GIT-1 |
Research Abstract |
PTPζは脳に多量に発現する受容体型チロシンホスファターゼであり、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンとして生合成される。本分子は、ヘパリン結合性成長因子プレイオトロフィンとミッドカインにより誘導される神経突起形成や神経細胞移動において、これらの受容体として機能している。本年度は、PTPζの情報伝達機構を明らかにする目的で、酵母two-hybrid systemを基盤にした新しいスクリーニング法(酵母substrate-trapping system)を開発し、本受容体の基質分子の同定を試みた。本法はPTPζのsubstrate-trap mutantをbaitとして用い、v-srcによるチロシン燐酸化に依存してbaitに結合する蛋白質をスクリーニングするものである。私は本法により、ラット脳cDNAライブラリーをスクリーニングし、いくつかの基質分子候補を同定した。その内のひとつGIT1/Cat-1は、(1)NIH3T3細胞において、PTPζのsubstrate-trap mutantと安定な複合体を形成する。(2)橋核線維の成長円錐の周縁部および糸状仮足においてPTPζと共存する。(3)PTPζとGIT1を共に発現しているB103神経芽細胞腫細胞をプレイオトロフィンで刺激すると、GIT1のチロシン燐酸化が増大する。(4)プレイオトロフィンを塗布したビーズでB103細胞を処理すると、ビーズ周辺にPTPζとGIT1が共集合するのが観察される。これらのことは、GIT1がPTPζの基質として、プレイオトロフィンの細胞内情報伝達に関与していることを示している。GIT1は、P21-activated serine threonine kinase(Pak)の調節を介して、細胞骨格系を制御していると考えられており、プレイオトロフィンにより誘導される神経細胞移動や神経突起伸長において、重要な役割を果たしていると考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)