HIV感染血友病(長期経過観察例)における抗HIV薬剤耐性遺伝子の生体内動態
Project/Area Number |
12035208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高松 純樹 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80221365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 正 名古屋大学, 医学部, 助手 (30314008)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | HIV / mutation / HAART / sequence |
Research Abstract |
わが国のHIV感染者においても近年のHAART治療により、多くの症例で血中ウィルスtiterが低下・消失している。しかしながら潜在的ウィルスreservoirは消滅し得ないことが知られ、治療有効例においても薬剤耐性が将来問題となる可能性が残る。一方これまでの薬剤耐性研究は試験管内で出現する耐性株の解析に基づいており、これらの情報がin vivoにおいて通用するかどうかは確かめられておらず、臨床症例での研究が必要とされる。このため当施設でHAART療法によりHIV RNAが400コピー以下にコントロールされている血友病患者18例について、各臨床経過におけるHIV-1のprotease及びenv領域のウィルスゲノムを増幅し、臨床経過とmutation発生率を比較検討して薬剤耐性クローンの動態を解明した。各経過ごとに10個のクローンをすべてsequenceしてmutationを検索、合計約278Kbにわたって塩基配列解析を行った。結果、HAARTにより以下の新しいprimary mutationが出現した。プロテアーゼインヒビター(PI)耐性M46I(IND,1例)L90M(SAQ,NEL,1例),逆転写酵素(RT)耐性T69D(ddC,1例)V118I(3TC,1例)。その他の変異は誘導されなかった。一方PI耐性secondary mutationとされるM36I,A71T,V77IはPI投与前より出現しており同剤投与により誘発されないと思われた。またRT耐性のPrimary mutationであるK70R、T215YはHAART開始前から高頻度に出現していたが、HAART直後いったん消失するものの、すぐ出現率は回復し、薬剤耐性クローンは治療により減少・消失するが再生するという動態が明らかとなった。またin vitroで高頻度に誘発される変異M184Vは全く検出されなかった。以上のことよりin vivoの耐性獲得はin vitroの耐性メカニズムとは一部異なることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)