Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Research Abstract |
我々はヒドロキシメチルカルボニル(HMC)イソステアがHIVプロテアーゼ阻害剤において,理想的な遷移状態ミミックであることを見いだし,さらに低分子化にも成功した.この低分子HIVプロテアーゼ阻害剤は,次世代抗HIV薬として期待され現在米国アグロン社で開発中である. HIVプロテアーゼ阻害剤は画期的な成果を挙げて,併用療法により"エイズ患者の絶望を希望に変える"という初期の目的を達したが,大量投与が必要であること,また副作用および耐性克服など解決すべき問題点が山積みである. そこで,理想的なHMCを含むジペプチド型HIVプロテアーゼ阻害剤をデザインすることにより,耐性克服可能な組織移行性の高い低用量抗HIV薬の開発をめざし,P2位にジメチル基を有するKNI-549をリード化合物としてオプチマイゼーションを進め,コンフォメーション制約型のKNI-577,さらに,HIVプロテアーゼの2量体対称構造を考慮したKNI-764が強い抗ウイルス活性を有し,野生型及び,合成HIVプロテアーゼアナログ両方に強い阻害活性を示すことすなわち薬剤耐性克服の可能性を秘めていることを見いだした. さらに変異酵素の分子認識解析を行ない,逆転写酵素阻害剤とのハイブリッド型抗エイズ薬KNI-684さらにKNI-694が強い抗HIV活性を有することを示した.これらの化合物は細胞膜透過性に優れ,細胞内で分解されてそれぞれの標的に作用することにより相乗効果をもつ本格的な第三世代の耐性克服エイズ治療薬への道を開いたと言えよう.
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