Project/Area Number |
12036227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
神奈木 玲児 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 部長 (80161389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金森 審子 愛知県がんセンター, 分子病態学部, 研究員 (00261173)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | セレクチン / HTLV-1 / CRE / フコース転移酵素 / GATA-3 / MZF-1 / シアリルLe^x |
Research Abstract |
セレクチンを介した細胞接着はこれまで炎症における白血球の炎症局所への動員で重要な役割を演じるとされてきたが、ノックアウトマウスを用いた成績などから、非炎症時においても恒常的に各種の血液細胞を体内のしかるべき組織へ運搬しホーミングさせるホメオスタティックな機能を持つ事が明らかになってきた。セレクチンの糖鎖リガンドは従来からsialyl Lewis x(sLe^x)とされている。この糖鎖は顆粒球・単球系細胞では構成的に発現され、リンパ球系細胞では一部の特定のサブセットを除き陰性であるが、活性化刺激により発現が強く誘導される。こうした細胞系統特異的でかつ細胞の活性化状態に依存したsLexの発現は、これを合成するフコース転移酵素の7番目のisozyme(Fuc-T VII)によって調節される。 我々は成人T細胞性白血病細胞においてsLe^x発現の異常な亢進を見出し解析したところ、成人T細胞性白血病細胞の病因ウイルスHTLV-1のコードするTax蛋白質が、Fuc-T VII遺伝子5′-調節領域のCRE様配列を介して転写を異常に促進する事が判明した。GCリッチ領域に挟まれた独特のこのCRE様サイトは刺激による転写誘導に関与し、既知のCREB/ATFファミリー以外の転写因子が結合する可能性が高い。この遺伝子の調節領域にはGATAおよびMZFなどの転写因子結合サイトも存在し、これらは細胞系統特異的発現に関連すると思われたのでさらに解析を進めた。 また我々は通常のsLe^xのほかに、硫酸化sLe^xがセレクチンの重要な糖鎖リガンドである事を見出した。sLe^xが主として炎症時にはたらくリガンドであるのに対して、硫酸化sLe^xは平常時に各種の血液細胞を体内の諸組織ヘホーミングさせる際に主要なリガンドとして機能する。現在までに、ナイーブT細胞の二次リンパ装置へのホーミング、ヘルパーメモリーT細胞のα_4β_7インテグリン陽性サブセットの腸管特異的ホーミング、CCR4陽性サブセントの皮膚特異的ホーミングにおいて硫酸化sLe^xがセレクチンの主要リガンドであることを明らかにした。また末梢血CD34陽性幹細胞や樹状細胞の前駆細胞にもこの糖鎖の存在を示す予備データを得ている。血液細胞で硫酸化sLe^xの発現を規定する硫酸基転移酵素の発現機構の検討した。
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