イネにおける茎頂分裂組織の分化決定及び維持増殖の時空における解析
Project/Area Number |
12037203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長戸 康郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10143413)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | イネ / 突然変異 / 茎頂分裂組織 / 胚発生 / 葉原基 / ヘテロクロニー / 小穂 / 分裂組織アイデンティティー |
Research Abstract |
既に茎頂分裂組織(SAM)を欠失する変異体を解析し、SAMの分化には少なくとも4遺伝子座(SHL1〜SHL4)が関与していることを明らかにしたが、SAMの分化後のSHL遺伝子の機能については不明であった。SHL2座の弱い変異体shl2-6とshl2-8ではSAMは分化するが、葉を何枚か分化した後消滅した。従って、SHL2遺伝子は、SAMの分化だけでなくその維持にも関与していることが明らかになった。更に、幼苗は葉の分化パターンの大きな異常も示し、葉原基の分化パターンの制御にも関わっていることがわかった。SHL2の弱い変異体の表現型はランダムな葉序と糸状の葉を分化するsho変異体とよく似ており、これらの遺伝子は共同してSAMのオーガニゼーションの維持に関与していると思われる。 イネにおける相転換機構を明らかにするため、moril変異体を同定解析した。moril変異体では、決して生殖成長に入らず、すべての形質(葉のサイズ、葉の構造、茎の組織分化、葉間期、SAMの構造、光合成活性)が第2葉(期)と同じであった。従って、moril変異体はjuvenile phaseからadult phaseへの転換ができず、juvenile phaseを繰り返していると考えられ、MORIl遺伝子はjuvenile-asdult相転換を制御する重要な遺伝子であろう。 生殖成長期における分裂組織のアイデンティティー転換制御を明らかにするため、apol変異体を解析した。apol変異体では、穂軸分裂組織が野生型で退化するより早く小穂に転換し、枝梗分裂組織もすぐに小穂に転換することが明らかになり、分裂組織アイデンティティーの転換が早まっていた。apol変異体の花でも、鱗被の増加、雄蕊の減少、雌蕊の増加が見られ、APOl遺伝子は、生殖成長期における分裂組織アイデンティティーの時間的制御に関与していると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)