Research Abstract |
本研究では,メディア教育・情報教育に特化したエージェントライブラリの構築を目的として,教師業務支援のためのエージェント開発支援ライブラリを構築し,本構築支援環境を評価するために,以下の4つの事例に適用した.(1)電子メールによるレポート受付代行とレコード記録,オンラインデータ化(5種類の課題,計1963通),(2)提出レポートの評価代行(5種類の課題,計540通),(3)演習実施アンケートのメールによる回収,および,集計(200人分,計358通),(4)電子メールによる課題題目の集計と集計状況のWebへの掲示(100人分,計116通).その結果,本構築支援環境によりエージェントを開発することにより開発コストが小さくなることを確認でき,平均350ステップのエージェントソフトウェアを開発するためには,平均52個のメソッドが必要となるが,テンプレートを使えば12個で対応できるので,テンプレート利用の有効性が示された.また,比較的単純な作業の組み合わせであり,かつ,処理数が多いほど,エージェントによるタスクの代行が有効であると考えられ(事例1,事例2),タスクの複雑さが増すに従い,エージェントの開発意義は薄れ,パターンによる開発支援が重要になる事が判った(事例3,事例4).以上の結果から,本構築支援環境を利用すれば,授業やテストの実施,自習課題のやりとりにおいて,(1)学生からの電子メールの内容に応じて受理確認のリプライを即座に送信,(2)教官MLやFAQ検索機能と学生の電子メールとを連携させたリアルタイムの質疑応答体制,(3)学生に対する課題提出や,各学生の課題提出状況のWEBによるリアルタイム表示などの機能を利用したメディアリテラシー教育が,プログラミングなどのスキルに不慣れな教官にも可能となることが期待できる.
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