Project/Area Number |
12042207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤村 勇一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90004473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大槻 幸義 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40203848)
河野 裕彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70178226)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 量子制御 / 鏡像異性体 / キラリティー / ラセシ体 / 配向 / 核波束 / レーザー制御 / ポンプ-ダンプ法 / エナンチオマーの分離 / 電子波束法 / イオン化・解離 / クーロン爆発 |
Research Abstract |
今年度の目的は、ランダムに空間分布した鏡像異性体のラセミ体(L体、R体50%:50%混合)からL(R)体の片方をレーザーを利用して生成させる墨子制御法を確立することであった。この鏡像異性体の光変換は有機・生化学的また、物理化学的に重要な課題である。これまでの鏡像異性体の制御理論は全て配向が揃っている条件下で行われてきた。本研究では、つぎの2つの量子制御過程に別けて取り扱った。第一に、ランダムに分布したラセミ体の配向を赤外レーザーにより制御する。次に、この空間制御された反応系を紫外レーザーによりキラリティ変換してL(R)体の片方をつくる。具体的量子制御として、H_2POSHを取り上げた。最適電場はいずれも直線偏光の電場である。配向制御の取り扱いでは、分子の双極子モーメントと分極率をab initio法で求めた。1ピコ秒以内に配向をそろえることができた。分子回転には約16ピコ秒かかるのでこの配向制御は非断熱的な取り扱いである。その制御機構は基本的にはP-S基の伸縮振動の基本振動数とその半分の振動数の倍音を持つ光との干渉によるものである。これにより空間非対称性が分子系に誘導される。次に、キラリティの制御のエッセンスは、L-体とR-体とでは双極子モーメントが異なるということを利用することにある。このことからレーザーの偏光を制御変数として異性化反応を制御できた。ポンプーダンプの方法と断熱的偏光依存性による方法の2種類の方法を開発した。いずれの方法でも、90%以上の収率が実現されていた。これらの成果の一部は既に国際雑誌J.Chem.Phys.等に発表(受理)された。
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