キラルラクトンの不斉反応における面選択性をきめる因子の解明と新不斉反応の開発
Project/Area Number |
12042265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安藤 香織 琉球大学, 教育学部, 助教授 (70211018)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 分子軌道計算 / 立体選択性 / トーショナルストレイン / 水素結合 / 溶媒効果 / キラルラクトン / 不斉アルキル化反応 / 面選択性 / アプイニシオ分子軌道計算 / 反応の遷移状態 |
Research Abstract |
γ-アルコキシメチル-γ-ブチロラクトンはそのエノラートが高いアンチ選択性でアルキル化剤と反応することが知られている。一方で、N-(o-t-ブチルフェニル)-γ-メトキシメチル-γ-ブチロラクタムのエノラートは高いシン選択性でベンジルブロミドと反応することが最近になり報告された。そこで、これら反応の立体選択性を制御している因子の解明を分子軌道計算を用いて行った。ラクトンでは遷移状態において側鎖置換基がエクワトリアル位をとり、その隣の炭素についた水素原子とのトーショナルストレインのためにアンチ選択性となることが分かった。また、上記ラクタムでは窒素置換基が嵩高いため、側鎖置換基はアキシャル位をとり、その隣の炭素についた水素原子とのトーショナルストレインによりシン選択性となることが分かった。このように、相反する立体選択性が同じ因子により制御されていることが分かった。さらに、計算による反応制御の可能性を明らかにするため、アレニルブロミドの分子内アミノ化反応の立体選択性に関する計算を行った。立体配置の異なるアレニルブロミドを用いてもシス-アジリジンが生成することが報告されていた反応をB3LYP/6-31G^*, SCRF(Dipole, DMF)で解析したところ、立体選択性は遷移状態におけるスルホンアミド酸素とアレン水素との水素結合により説明できることが分かった。また、ガス層での計算では脱離基に対しシン側からのアミノ基の攻撃が助長され、シス選択性が向上することが示唆された。実際、実験を報告したグループにDMFより極性の低いTHF中での反応を示唆したところ、シス選択性が大きく改善されとの報告を受けた。計算結果から反応制御の大幅な改善がもたらされた例となった。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)