Project/Area Number |
12042271
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山下 弘巳 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (40200688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ザンペイソフ ノルボシン 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (10326275)
松岡 雅也 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (80305648)
安保 正一 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (70094498)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 光化学反応 / ゼオライト / 分子軌道計算 / 光励起過程 / 分子環境場 / Norrish Type反応 / ナノ細孔 / 静電的相互作用 |
Research Abstract |
分子環境場が分子の吸着状態およびそれから生じる励起状態にどのような影響を及ぼすかを検討することは、表面の化学現象および光化学反応を理解する上で重要である。本研究では、ZSM-5ゼオライト細孔内にケトン(2-ペンタノン,n-ブチロフェノン)を吸着させ、その吸着状態および光化学過程に及ぼすイオン交換アルカリ金属カチオン種の影響を実験と分子軌道計算を用いて検討した。 ZSM-5ゼオライト細孔内でのn-ブチロフェノン(NBP)の光分解反応では、主にNorrish Type II反応(エチレン生成)が進行し、Type I反応(プロパン、プロピレン生成)の進行は極わずかだった。Type II反応に加えType I反応も同じ程度の収率で進行した2-ペンタノン(2PN)の光分解反応性とは異なった。反応収量ではNBPの方が2PNより大きいことを見出した。また、両ケトンともイオン交換サイトの交換アルカリ金属カチオンのイオン半径を大きくすると、反応収量は増加しType I反応の選択性は低下した。 吸着ケトンのIRスペクトルでは、C=0伸縮振動に由来する吸収が観測され,交換カチオンのイオン半径が小さくなるにつれ低波数側へシフトした。この結果から、細孔内のケトンはカチオンとの相互作用による吸着状態で存在し、その相互作用はカチオンが小さいほど強くなることを見出した。Ab initio計算からも同様の結果が得られ、ケトンはカチオンとの静電的相互作用により吸着しカチオン依存性を示すことが実証できた。また、Fig.3に示すようにNBPと2PNを比較すると、いずれのカチオンの場合もNBPの方が弱い吸着であることを示した。すなわち、NBPより2PNの方がカチオンとの静電的相互作用が強く,それはカチオンが小さくなるにつれて強くなり,それに伴い励起状態での失活が起こりやすくなり、その結果光分解収率が低下し、Type I反応の選択性の増加が起きると考えられる。
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