Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Research Abstract |
Data-basedな画像認識回路を進化ハードウェア(進化的手法で環境に適応するように設計されたハードウェア)を用いて実現し,ナノ秒オーダの画像認識処理を達成する手法を提案した.具体的には,既存画像から生成された基本回路に進化的アルゴリズムを適用し,未知画像に対して正しく反応する汎化能力を基本回路に獲得させた後にハードウェア化(集積回路化)を行う(これは,統計的パターン認識処理手法の一つであるParzen Density法を進化アルゴリズムによって拡張したものと見なせる).このようなData-basedなアプローチにより,画像データ全体に内在する並列性をそのまま利用することができる.更に浮動小数点演算のような複雑な演算が不要になる.このためナノ秒オーダの画像認識を実現することが可能になると考えられる. 顔画像認識を具体的な応用として,既に試作したFPGA(書き換え可能集積回路)による「進化ハードウェア」プロトタイプを拡張することで,ナノ秒画像認識システムの基本試作を行った.本試作では,ディジタルビデオカメラで撮影した画像を基に進化ハードウェアの基本回路を設計し,これに周辺回路を付加することで基本システムを構築した.顔画像ベンチマークデータを用いて認識性能を評価したところ,91.7%の認識精度を得ることができた.この認識精度は,ニューラルネットワークや統計処理による認識精度とほぼ同等であった.基本的な認識処理速度は,試作機上に認識データをストアした状態で280nsであった.これより,画像の前処理を含めても2〜3μ秒程度で画像認識処理が可能である見通しを得た.この速度は,従来のビデオレート(33ms)をはるかに上回る高速処理である.これより本手法は,今後の高速画像認識技術に発展することが可能と考えられる.
|