単細胞体制から多細胞体制への移行を制御する低分子量鍵物質の同定
Project/Area Number |
12045244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 ミネ子 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70029700)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 細胞性粘菌 / ペルオキシソーム / 細胞間コミュニケーション / シグナル伝達 / DIF / Zellweger症候群 |
Research Abstract |
単細胞生物から進化する過程で、多細胞生物は細胞間情報伝達物質を介するさまざまな相互作用を発達させてきた。この相互作用に関与する物質を明らかにし、作用機構を明らかにすることは生物学上の重要課題である。本プロジェクトでは、生活史に単細胞世代と多細胞世代をもつ細胞性粘菌を用いて、単細胞世代から多細胞世代への移行を誘導する物質の探索を目標とした。これまでに、(1)細胞間シグナル分子の合成、(2)細胞間シグナル伝達に関与している2種類の蛋白質を欠損する変異株を用いて研究を進めてきた。前者に関連して、細胞間シグナル分子の合成に関与すると推定される17β-hydroxysteroid dehydrogenase type4(HSD4)の欠損株は、自然界におけるように細菌を餌として増殖させると多細胞体を形成することがきず、野生型には存在しない脂質が蓄積することを明らかにした。また、この変異体は野生型細胞との共存下では多細胞体を形成すること、野生型細胞の分泌物質がこれに関与していること、この物質はこれまでに粘菌で知られているどの物質とも異なることを突き止めた。これに対して変異株は、野生型の発生を阻害するような物質を分泌していることも明らかにすることができた。この酵素をコードする遺伝子はヒトではZellweger症候群と呼ばれる遺伝病の原因遺伝子であり、患者の繊維芽細胞や血清中には粘菌と同様に異常な脂質の蓄積が起こることが知られている。しかしながら、本酵素の欠損による発症のメカニズムについてはまだ明らかでなく、粘菌変異体の解析がZellweger症候群の発症機構の理解に貢献できることを期待している後者については、多細胞体を形成することができない変異株の表現型をこの物質の同定に取り組んでいる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)