トランスポーター膜蛋白質の機能解明を目指した活性天然物の探索
Project/Area Number |
12045245
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 資正 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40116033)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ABCトランスポーター / 海洋生物 / 医薬資源 / 海綿 / P-gp / MRP1 |
Research Abstract |
ABCトランスポーターは、ATP加水分解エネルギーを利用して栄養素や老廃物の能動輸送を行う細胞の重要な膜タンパク質群であるが、それら機能のメカニズムに不明な点が多い。このような背景から本研究では、ABCトランスポーターの特異的な阻害剤を探索し、それらを鍵化合物としてABCトランスポーターの機能メカニズムの解明を行う。 我々は、ABCトランスポーターの中でもがん多剤耐性に関わりの深いP-糖蛋白(P-gp)やmultidrug-resistant associated protein 1(MRP1)に焦点を当て、これら2種の膜タンパク質を過剰発現する多剤耐性がん細胞を用いた阻害剤探索のアッセイ法を構築している。そして、それら膜タンパク質に特異的に作用する阻害剤をサンゴ礁生物の抽出エキスから探索し、現在までに、P-gpの機能阻害物質としてXestospongia属海綿から大環状二量体アルカロイドaraguspongine類を、Sinularia属軟サンゴからセンブラノイドを、Briareum属ヤギ目八放サンゴからジテルペノイドbriantheinAを見出した他、Spongia属海綿からP-gpとMRP1の両方の機能を阻害するステロイドagosterolAを見出している。 中でも、強力な耐性克服作用を有するステロイドagosterolAについて、さらにその類縁化合物やそれらから調製できる種々の誘導体の耐性克服作用の有無を検討し、構造と活性の相関を解析した結果、3個のアセトキシル基と2個の水酸基のいずれもが活性発現に関与していることが明らかになった。また、市販のergosterolを出発物質とするagosterolAの合成研究に着手し、agosterolAの4-deacetoxyl体の化学合成を達成した。さらに、短工程で化学合成が可能なラジオアイソトープ光親和性標識体を合成し、現在、MRP1への結合部位を解析している。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)