微視的理論に基づくスピン・電荷分離系の現象論の構築とその高温超伝導体への応用
Project/Area Number |
12046207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
海老澤 丕道 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90005439)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 正彦 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 講師 (60301040)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 強相関電子系 / 低温物理 / 物性理論 / 超伝導 / 高温超伝導 / スピン・電荷分離 / t-Jモデル / 擬ギャップ |
Research Abstract |
本年度は、昨年度の研究成果の発展として、t-Jモデルの現象論に基づき、不均一な高温超伝導体における超伝導現象の発現機構の解明と、その擬ギャップ領域への応用に関する研究を行った。本研究では不均一性の起源としては特にドーピングの非一様性を考慮した。 得られた結果は、以下の通りである。 ・ドーピングは電子系にとっての背景電荷となるため、その不均一性は静電遮蔽を引き起こす。ここでは特にホールによる静電遮蔽の特性について明らかにした。t-Jモデルにおいてはホ-ルはボソンとして振る舞うため、フェルミオンである通常の電子とは異なる遮蔽特性を示すことが分かった。 ・ホールの密度の高い領域と低い領域が接している場合に、低い領域から高い領域にs-RVB(1重項resonating valence bond)秩序のしみ出し(近接効果)が起こることを現象論的方程式に基づいて確かめ、その強さ(しみ出しの長さ、および強度)を定量的に見積もった。このs-RVB近接効果によって、不均一なドーピングの下では最適ドーピング率の臨界温度以上の温度でも局所的には超伝導特性が現れうることが分かった。このとき出現する超伝導領域の大きさ(幅)は2つの領域の界面からs-RVB秩序のコヒーレンス長程度(通常、数十オングストロ-ム)である。 ・以上の理論の発展として、s-RVB近接効果による高温超伝導デバイスの可能性を指摘し、デバイス作成のための具体的なアイデアを示した。 これらの結果は、近年擬ギャップ領域で観測されている、空間的に非一様に分布する超伝導領域の存在とも関連があると考えられ、今後擬ギャップ領域における物性解析のためのの基礎的な枠組みを与えることが期待できる。 本研究の成果は現在投稿準備中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)