Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
研究室所有のArレーザーが発光しなくなったことから,当初の計画を見直し,EPRや中性子散乱を用いたd^1系モット・ハバード型絶縁体の研究を行いました.例えば,d^1系モット・ハバード型絶縁体であり,パイロクロア構造をとるLu_2V_2O_7の強磁性の起源を,実験から得たパラメーターを用いて明らかにしました.この系は,軌道が完全に反強的に配列するK2CUFなどとは異なり,パイロクロア格子を反映し,軌道が完全には反強的に配列できず,フラストレーションを解消するように,互いに約109度の配列することです.これはまさに2次元3角格子の120度構造に対応した新しい軌道配列パターンと言えます.この構造で強磁性が実現することがわかりました.また京都大学化研高野教授のグループに協力していただき,Lu_2Cr_2O_7の合成を行い,その結晶構造パラメーターを決定し,eg軌道に2個の電子が入ることがわかりました.その他にY_<1-x>Ca_xTiO_3系の粉末試料を広島大学先端研伊賀助教授らにいただき,我々が中心となり,絶対値によるPDF局所構造解析に日本国内で初めて成功しました。さらにx=0.39の試料では体温付近で相分離を起こすことを発見しました.これはセラミックスとしては非常にまれな現象です. その他の成果として,分極関数の特異性を反映して,電子構造と相関してMO_6八面体(M;遷移金属)の傾きの秩序化が生じることを提案しました.これはツインやミクロな混合相の秩序化が電子系の不安定さに起因して起こることを説明します.今までのCDW系とは異なる強い共有結合ネットワーク系における新しい形の電子系と結合した構造歪みを初めて提案したものです.
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