Project/Area Number |
12046217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization (2001) Chiba University (2000) |
Principal Investigator |
澤 博 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教授 (50215901)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 電荷秩序転移 / バナジウム酸化物 / 核磁気共鳴 / 低音構造解析 / 低温構造解析 |
Research Abstract |
本年度は異常原子価状態をとるα'-NaV_2O_5の電荷秩序状態について最終結論を得た。この系は高温相ではV^<4.5+>の混合原子価状態をとるが絶縁体であり、quarter-filled two-leg ladder systemと捉えることが出来る。約33K以下で、2a×2b×4cの格子歪みを伴う電荷秩序転移と同時に非磁性状態が実現する。この低温相の解明は、多くのバナジウム酸化物における複雑な電荷の自由度の振る舞いについての重要な知見が得られると考えられ、多くの研究者によって取り組まれてきた。我々はNaの高分解能NMRの実験により、他のグループによっていくつか報告されている低温での結晶構造が対称性の点で明らかに間違っていることを明らかにした。また、更に放射光を用いて高分解能の散乱実験を行って、低温相の晶系は報告されている斜方晶系ではなく単斜晶系であることを明らかにした。この結果、超格子反射まで含めた構造解析により低温相を、酸素を含めた原子位置を決定し、電荷秩序はV^<4+>:V^<5+>=1:1であり、長距離クーロンにより予想されていた面内のZigzag電荷秩序パターンが形成されていることを明らかにしJPSJに投稿した。 また、我々は現在他の遷移金属酸化物の電荷秩序や軌道秩序について放射光共鳴散乱を用いて実験を続けており、特にα'-NaV_2O_5と同様な部分構造を持つ系やV三角格子系の物性との対応について研究を進めている。
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