Project/Area Number |
12046246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河野 浩 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (10234709)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 和正 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90109265)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2000: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 超伝導 / 磁性 / 不純物効果 / 重い電子系 / 近藤効果 / 価数揺動 / 反強磁性 / 軌遺ゆらぎ |
Research Abstract |
1.強磁性相で実現するUGe_2の超伝導の機構として、電荷密度波とスピン密度波の結合したゆらぎによるものを提唱した。2.MgB_2の超伝導機構として、古くより理論的興味で調べられてきた「電子ガス機構」を提唱した。転移温度の電子密度依存性から、フォノン機構でなくとも同位体効果を説明できることを指摘した。3.反強磁性相で実現するUPd_2Al_3の超伝導の機構として、中性子散乱の実験データをもとに、磁気励起子による機構を提唱した。4.価数揺動の不安定点近傍に位置する系では、不純物効果が増強されることを示した。これは、以前Ce系重い電子系の超伝導に対して提唱した価数揺動機構を支持する。5.準1次元金属において、1次元的なスピン・電荷ゆらぎによりスピン三重項超伝導や、フェルミ面に対して動径方向にノードをもつギャップをもつ超伝導が実現しうることを示し、有機超伝導体(TMTSF)_2Xにおいて実現している可能性を議論した。6.バンド半占有のt-t'ハバードモデルについて、フェルミ面の完全ネスティングからの外れ(t')と相互作用Uの拮抗をくりこみ群的手法で調べ、特に弱結合領域で反強磁性と常磁性の相境界を解析的に決定した。また、Uを大きくして反強磁性相に近づけたとき、電荷感受率が増大することをFLEX近似で見出した。7.LiV_2O_4の重い電子の起源を2バンドハバードモデルで調べた。バンド間クーロン斥力が各軌道の占有数を調節することにより狭いバンドの電子が局在スピンとなり、アンダーソン格子が自動的に形成され重い電子状態が実現することがわかった。8.f電子を2つ持ち結晶場一重項の基底状態をもつ不純物による近藤効果を、数値くりこみ群の方法で調べ、非フェルミ液体的な振る舞いが広い温度範囲で実現可能なことを示した。これは、近藤・芳田一重項と結晶場一重項の競合により生じる不安定固定点に起因する。これにより、Th_<1-X>U_XRu_2Si_2の磁化率・抵抗の温度依存性、比熱係数の振る舞いが初めてコンシステントに理解できた。
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