Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1(1)高圧合成されたスピンラダー系SrCu_2O_3の強磁場ESR測定をおこなったが,スピンギャップが420Kと大きい基底一重項状態を反映して実験精度の範囲内で本質的な吸収は観測されなかった。 (2)その上でスピンラダー系SrCu_2O_3にZnを1〜4%ドープした磁場配向試料を準備して強磁場ESR測定をしたところ常磁性状態ではCu^<2+>イオンと似たgの異方性を持った吸収が観測され,ラダー面に垂直な方向のgが2.27,それに垂直方向のgが2.06と決定された。 (3)帯磁率に異常がみられるT_N=8K(Zn4%)以下で共鳴のシフトが観測され,詳細な周波数および温度依存性の検討から,たしかに1.8Kで反強磁性共鳴が観測されており,Znドープされたスピンラダー系SrCu_2O_3がT_N以下で反強磁性秩序していることが確認された。この現象はスピンパイエルス系CuGeO_3にZnドープした系の振る舞いに類似しており,スピンギャップ系に共通の現象である可能性がある。 2)辺共有CuO_2鎖を持つCa_<0.836>CuO_2の強磁場ESR測定でspin singletの熱励起的吸収と反強磁性秩序するspinによる反強磁性共鳴が観測され,広井らの主張どおりspin singletと反強磁性秩序するspinがこの系で共存していることが明らかになった。 3)スピンパイエルス系CuGeO_3の圧力下強磁場ESR測定に世界で初めて成功し,圧力による磁気相転移の上昇がESRから確認された。今後,圧力下における直接遷移の観測を目指し今だ未解決な直接遷移機構の解明を目指したい。
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