昆虫単一神経細胞における入力部位マッピングと細胞内マルチサイトレコーディング
Project/Area Number |
12048220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
小川 宏人 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70301463)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,400,000 (Direct Cost: ¥4,400,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Keywords | 昆虫 / 神経細胞 / 樹状突起 / dendritic spike / backpropagating spike / マルチサイトレコーディング / カルシウムイメージング / Oregon Green 488 BAPTA-1 / FM1-43 / 共焦点レーザ走査型顕微鏡 / 機械受容器 |
Research Abstract |
昆虫単一細胞内の局所的演算機能を明らかにするために、コオロギ気流応答性巨大介在ニューロン(giant interneuron : GI)の樹状突起部での細胞内電位記録と高速Caイメージングの同時記録を行い、活動電位の波形とCa応答パターンの関係を調べた。GIの上向性軸索への逆行性刺激によるbackpropagating spikeと、GIに興奮性入力を持つ1次感覚ニューロンへのシナプス刺激によるsynaptic spikeは、ともに一過性の細胞内Ca濃度上昇を引き起こすが、樹状突起末端での濃度上昇はsynaptic spikeによるものの方が大きかった。このときGIの活動電位波形は記録箇所によって異なり、特にCa濃度上昇に差が見られた樹状突起部から誘導されたsynaptic spikeはbackpropagating spikeよりも振幅・幅ともに大きかった。さらに、左右の1次感覚ニューロン群を別々にシナプス刺激したとき、記録箇所と同側のシナプス刺激は活動電位の振幅を増大させ、その部位でのCa上昇は増強された。以上の結果は、樹状突起末端部での活動電位波形が変化することによって、活性化される電位依存性Caチャネルの数量が影響を受けることを示唆している。 さらに活動電位の伝播動態を調べるため、GI内の異なる2カ所から活動電位の誘導(マルチサイト・レコーディング)を行ったところ、dendritic spikeとaxonal spikeの遅れが刺激方向により変化すること、また最終腹部神経節の両側に樹状突起をのばすGIでは、刺激側に近い樹状突起分枝で先行して活動電位が発生することがわかった。以上の結果から、GIにおける活動電位発生箇所はシナプス入力部位に伴って移動し、それに伴って樹状突起末端部での活動電位波形が変化することによってCa応答の入力依存性が生じると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)