Budget Amount *help |
¥6,000,000 (Direct Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Research Abstract |
微小脳を神経解剖学的に研究する方法として,昨年度開発したオスミウム・アズール二色染色法を使って,ナツアカネ,ゲンジボタル,カイコガ,クロキンバエなど,種々の昆虫の脳の連続切片を観察し,キノコ体と中心複合体の概形および内部構造を比較した.従来トンボ類のキノコ体には傘がないと言われていたが,本法により境界不鮮明ながら周囲とは色調の異なる部分が見つかり,傘の存在が強く示唆された.ゲンジボタルは,トンボと同様に柄が分岐しない単純なキノコ体をもち,傘,柄,葉ともにグリアの境界層が未発達のため境界が不明瞭であった.一方,中心複合体は,両種とも良好な発達を示した.10種の大型昆虫の柄の直径を比較した結果,ケニオン細胞の数は,触角の受容細胞の数,社会性,寿命など複数の要因が複雑にからみあって決まっている可能性が示唆された. さらに同じ方法を使って,ミツバチの働きバチの脳を,羽化直後,制限環境で飼育された9日齢内勤バチ,正常に飼育された9日齢内勤バチ,外勤バチの4つのステージで定性的および定量的に比較し,経験依存的可塑性を調べた.注目すべきは,9日齢の正常内勤バチと制限環境バチとの間に,定性的および定量的な差が検出されたことである.定性的な差のひとつは,ある特定のスラブが,制限環境バチでは不明瞭なことであった.
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