Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
本疾患は生後2から3ケ月齢時に協調運動の失調を主徴とし,病理学的には,脳幹,脊髄背角および脊髄神経節神経細胞の変性,脊髄神経背根,脊髄神経節および末梢神経神経線維の軸索変性がみられる.特に,脳幹,脊髄背角神経細胞には光学顕微鏡レベルで多数の好酸性封入体の出現を特徴とする.封入体は電子顕微鏡レベルでいずれも巨大なミトコンドリアからなる.病態解析では臨床像である感覚神経症の一次要因である脊髄神経背根の変性について蛋白レベルでの解析,特に神経線維内ペプチドの検索を行ったが有意な結果は得られなかった.また,抗ミトコンドリア抗体による免疫組織化学的染色を行い,ミトコンドリアの蓄積状態・分布について詳細に検討した.免疫染色では発症例のミトコンドリアは大型の顆粒状を呈し,神経細胞内に充満し,主に脊髄背角,腹角,脊髄神経節,脳幹部諸核,大脳視床核,海馬歯状回の錐体細胞層,小脳顆粒層の神経細胞でみられた.特に経過の長かった症例では脳幹部,海馬歯状回で顕著であった.骨格筋にはこのようなミトコンドリアの蓄積はみられなかった.さらに形態異常を示すミトコンドリアが遺伝子レベルでの変異に起因するかどうかを明らかにすべく,発症例の脊髄凍結材料よりミトコンドリアDNAを抽出し,long-PCRおよび全塩基配列のシークエンスを行ったが,ミトコンドリアDNAの大きな欠失,重複あるいは発症例に特異的な点変異,欠失などはみられなかった.モデル動物化のためのキャリアー動物の作出を発症動物からの卵の回収をはかり,キャリアー動物を効率良く得る手法の確立,併せて遺伝様式の解析も本研究の重要な目的の一つであったが,発症ウサギを産出した第1世代2羽のキャリアー動物の繁殖障害が顕在化したこともあり,モデル動物化に関する研究は第3世代の繁殖を中心に行っている.
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