Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
筋強直性ジストロフィー(DM)は、その遺伝子変異がタンパク質をコ-ドする領域に無いにも関わらず、優性遺伝の形式で発症する。責任遺伝子DM protein kinase(DMPK)の3'側非翻訳領域には(CTG)トリプレット・リピートがあり、正常対照に比べて患者ではリピート数が増幅していることが知られている。近年、DM発症機構として「RNA機能獲得(RNA gain of function)」という新しい概念が提唱されている。これはCTG(転写されるとCUG)リピートが伸長すると、mRNAがRNA結合タンパク質と相互作用するなどの新たな機能を獲得し、結果として発症につながるというものである。私は人工的に(CTG)リピート配列を増幅させる技術を既に確立しており、マウス筋芽細胞C2C12株にリピートの伸長したヒトDMPKを導入し、安定に発現させる系(DMモデル細胞)を保持している。今回、このモデル細胞に過酸化水素、メナジオンといった酸化剤を与え、その感受性を検討したところ、リピートが増幅したモデル細胞で有意に酸化ストレスに対する高感受性が観察された。今回の実験はリピートの長さが正常である以外は全く同条件のモデル細胞を対照にしていることから、今回見出された酸化ストレス脆弱性がリピートの増幅によって特異的に起こっていることが示唆された。また、このモデル細胞は過剰発現系であるため、この結果は先に述べた「RNA機能獲得」を支持するものと思われた。次に、私はリピート伸長及び酸化ストレスによつて起こる変化を遺伝子レベルで特定するため、DNAマイクロアレイ解析をおこなった。その結果、酸化ストレスを与える以前から、リピートが増幅しているだけで既に発現変化している遺伝子が存在することを見出した。現在これらの遺伝子の発現変化を裏付けるべく、ノーザン解析を行っている最中である。
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