パルスニューラルネットワークを用いた視覚的注意と作業記憶の計算論的モデルの研究
Project/Area Number |
12050224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
齋木 潤 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (60283470)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥4,500,000 (Direct Cost: ¥4,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | パルスニューラルネットワーク / 視覚的注意 / 同期発火 / 顕著性マップ / 視覚探索 / 復帰抑制 / 視覚的短期記憶 |
Research Abstract |
視覚的注意研究の神経生理学データのみならず,心理学データも説明可能なモデルを構築した. (1)適切なニューロンモデルの設定:既存のモデルは神経生理学データの説明のためのパラメータを多く含み,心理データの説明には不適切な詳細を含んでいる.そこで,各ニューロンモデルをパルスニューラルネットワークの本質を失わない範囲で単純化した.Gerstner(1999)が提案しているスパイク反応モデルを用いた. (2)同期メカニズムの実装による内因的注意のモデル:既存のモデルは,注意の効果は神経集団の同期発火にあると仮定し,最近それを支持するデータもある.しかし,モデルでは同期発火発生そのもののメカニズムは実装されていない.本研究では,トップダウン信号に時定数の違う興奮性と抑制性の入力を用いることにより同期発火発生のメカニズムを実装した.このモデルでも,初期視覚領野での同期発火の生成,発火の時空間相関の変化の高次視覚領野における発火頻度への効果(具体的には非注意刺激に対する発火頻度の抑制)を実現することが可能であった. (3)系列的な注意の移動メカニズムのモデル:視覚探索研究は,人間が高速に注意の焦点を移動できることを示している.従来の顕著性マップのモデルでは,注意の移動のメカニズムは外部入力により強制的に焦点を移動するような形で実装されている.また,この場合の外部入力の制御のメカニズムは考慮されていない.本研究では,本質的には,視覚刺激からの入力パタンの相対関係のみに基づいて,自律的に注意の焦点を移動できるメカニズムを関発した.外部からの抑制フィードバック回路を用いずとも基本的な視覚探索の知見を再現することが可能であった.
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)