心身障害児(者)の脳バンク樹立と脳の促進加齢に関する基礎研究
Project/Area Number |
12050243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
岸川 正大 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部・部長(兼・副所長) (80112374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 兼房 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 生化学部, 部長(兼・所長) (50022801)
若松 延昭 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 遺伝学部, 部長 (60274198)
島田 厚良 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 形態学部, 室長 (50311444)
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Project Period (FY) |
2000 – 2001
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2001)
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Budget Amount *help |
¥8,500,000 (Direct Cost: ¥8,500,000)
Fiscal Year 2001: ¥4,600,000 (Direct Cost: ¥4,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | ブレインバンク / 脳バンク / 凍結組織保存 / 心身障害 / タウ蛋白 / リン酸化タウ / ヒルシスプルング病 / ストレス蛋白 / 組織保存機構 / アレキサンダー病 / αBクリスタリン / 巨大結腸症 / 脂質メディエイター / SAMP10 |
Research Abstract |
脳バンク(愛知県心身障害者コロニー脳及び組織保存機構)の樹立にあたっては、ヘルシンキ宣言、厚生省の「遺伝子解析による疾病対策・創薬等に関する研究における生命倫理問題に関する調査研究」中間報告(主任研究者:垣添忠生)を参考に、脳バンクの「設置要綱」、その運用に関する「取り扱い要項」を策定し、平成12年10月には機構会議を立ち上げ、続いて倫理委員会も開催した。平成13年3月末に国の正式な指針が出たので、当初の「設置要綱」を一部を改訂し、現在に至っている。そしてこの2年間で、剖検例30症例、外来患者からの血液・DNAを約200症例登録保存した。 この「血液・DNA登録資料」を用いて、知的障害、心疾患、両眼解離や鼻根部の平低などを有するヒルシスプルング病に関し、染色体と遺伝子を検索した結果、SIP-1という蛋白をコードしている遺伝子(ZFHX1B)の異常により発症することを明らかにした。 ところで、心身障害児(者)は「早く年をとる」とも言われ、剖検例でも脳を含めて老化の徴候とも言うべき形態学的変化がしばしば見られる。そこで、脳バンク登録症例を含めて、10歳代18例、20歳代8例を含む15歳以上の36症例について、海馬、海馬傍回、青斑核でのAT8陽性の過剰リン酸化タウ蛋白(NFT、Neuropile threads)、抗ユビキチン抗体陽性像、ストレス蛋白(αBクリスタリン、Hsp27、Hsp70)の発現頻度などを検討した。その結果、AT8陽性像は10歳代でも16.7%、30歳代は50%に、40歳を過ぎるとほとんどの症例に過剰リン酸化タウの蓄積が見られた。福山型筋ジストロフィー症など、NFTが早期から出現することが知られている疾患を除外しても、10歳代で6.3%、20歳代で43%にAT8陽性像を認めた。一方、これら異常タウが出現している症例でも老人斑は全く認められず、一般に見る高齢老人の脳とは異なっていた。また、αBクリスタリンは陽性像が見られるものの、Hsp27、Hsp70ではほとんど陰性で、今後の検討課題のひとつである。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)