Project/Area Number |
12051208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 カツ子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (50126091)
宝来 玲子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20313091)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | IL-1 / IL-1レセプターアンタゴニスト / ノックアウトマウス / 免疫応答 / 抗体産生 / 自己免疫 / 関節炎 |
Research Abstract |
我々は、発生工学的手法を用いて、胸腺依存性抗体産生にIL-1βが関与すること、またIL-1レセプターアンタゴニスト(IL-1ra)ノックアウト(KO)マウスが自己免疫性の慢性関節炎を自然発症することを明らかにした。本研究では、IL-1による抗原特異的なT細胞の活性化機構及びIL-1ra KOマウスにおける自己免疫発症機構を解析し、IL-1による免疫応答調節機構を検討した。 1.T細胞依存性免疫応答におけるIL-1の役割 (1)T細胞依存性抗体産生において、抗原特異的なT細胞の活性化にIL-1の下流でCD28-CD80/CD86非依存的、CD40-CD40L、OX40-OX40L依存的な経路が働くことを明らかにした。 (2)接触型及び遅延型過敏症反応を検討し、それぞれIL-1 KOマウスで抑制され、IL-1ra KOマウスで亢進することを明らかにした。 2.自己免疫性慢性関節炎発症機構の解析 (1)骨髄細胞の移入実験により、IL-1ra KOマウスの骨髄由来細胞が関節炎の発症に関与すること、またヌードマウスへのIL-1ra欠損T細胞の移入実験により、T細胞の異常が関節炎発症に関わることがわかった。 (2)関節炎局所で発現が亢進しているTNFαを欠損するIL-1ra KOマウスを作製し、関節炎発症が強く抑制されることを明らかにした。 (3)BALB/cとC57BL/6背景における関節炎発症率の遺伝的背景の違いを検討するため、主要組織適合性複合体(MHC)遺伝子部分のみが異なる系統に戻し交配したが、関節炎発症はMHCに依存しないことが示唆された。 以上の結果から、抗原特異的なT細胞の活性化には、IL-1による細胞間相互作用を介した新規のリンパ球活性化機構が存在することを見出した。またIL-1ra KOマウスの慢性関節炎はT細胞性自己免疫であり、発症にはTNFαが関与することが示唆された。
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