癌抑制遺伝子PTENのT細胞シグナル伝達における役割の解析
Project/Area Number |
12051229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10311565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 徹 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00172370)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | PTEN / 寛容 / トレランス / ガン抑制遺伝子 / Akt / ERK / 欠損マウス / T細胞 |
Research Abstract |
1)研究目的: 癌抑制遺伝子PTEN欠損マウスは胎生早期に死亡するため、リンパ組織など各種臓器でのPTENの役割は依然不明である。ヘテロ変異マウスは主にlymphoid hyperplasiaを呈し、うち少数はT-リンパ腫で死亡する。さらに最近へテロ変異マウスは自己抗体を産生し、自己免疫疾患を呈することが報告された(Cristofano et al.Science 1999)。そこで、我々はCre-loxPシステムを用いてT細胞特異的PTEN欠損マウスを作成した。これを用いてPTEN分子のT細胞における役割、またPTEN変異による自己免疫疾患発生の機構を明らかにすることを目的とする。 2)結果 T細胞特異的PTEN欠損マウスは17週までにCD4リンパ腫で死亡する。癌化する前のマウスは活性化されたCD4^+細胞やB細胞が増加し、T細胞は自己反応性で、IgG1の高い産生や自己抗体の産生をみた。また下細胞は強い増殖能を呈し、Th1/Th2サイトカインの高い産生能、アポトーシス抵抗性をみた。自己免疫疾患発症の原因としては、胸腺での負の選択の異常、また末梢での寛容の異常があることを見い出した。また胸腺細胞はCD4へlineage commitmentしていた。生化学的にはPKB/Akt、Bcl-X_L、ERKの活性化をみ、PKB/Aktがこれらの自己免疫疾患発症および発癌に、またERKの活性化がCD4へのlineage commitmentや発癌に関与していることが類推された。またB細胞の増加や、IgG1の高い産生はTh2サイトカインの高い産生がその原因と思われた。このようにPTENはT細胞のホメオスタシスや自己寛容の大切な制御分子であることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)