Project/Area Number |
12052216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
水野 雅史 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (00212233)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | Potato tubers / Oxidative burst / Ascorbate peroxidase / Elicitor / Glucan / Hydrogen peroxide |
Research Abstract |
エリシターとしてラミナリン(直鎖状β-1,3-glucan)を用いてジャガイモ懸濁培養細胞に処理した場合、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APx)の発現は約5時間後に極大に達したが、内在性アスコルビン酸含量を高めた場合は、その発現は10時間で極大に達しその後減少した。その原因を解明するためH_2O_2蛍光プローブであるDCFH-DAを用いて内在性H_2O_2含量を測定したところ、内在性アスコルビン酸含量を高めた区では、明らかにH_2O_2生成量が抑制されていた。さらに真菌細胞壁画分であるレンチナン(β-1,6-glucanを側鎖に持つβ-1,3-glucan)では、約2時間後に極大に達したが、プスチュラン(直鎖状β-1,6-glucan)では、発現は誘導されなかった。さらに細菌細胞壁画分であるLPS(リポポリサッカライド)で処理した場合も応答しなかった。これらのことから、細胞膜状に特定の多糖を認識するレセプターが存在しており、それを介して情報伝達が行われている可能性が示唆された。実際、昆虫においては、細菌と真菌由来細胞壁画分に対する認識の異なるToll-like receptorが存在していると言われており、シグナル伝達に関与していることが明らかにされている。活性酸素種については、H_2O_2およびNOC-18(一酸化窒素供与体)で刺激した場合、いずれの場合もAPxの発現は1時間以内に活性化された。このことから、真菌由来多糖で刺激した際、H_2O_2が発生していると考えられた。さらに、H_2O_2が感染防御応答におけるセカンドメッセンジャーであるかを確かめるために、ラミナリン処理により蓄積されp-coumaroyloctopamine含量をHPLCを用いて測定した結果、その含量は6時間まで経時的に増加し、その後減少した。したがって、H_2O_2が防御応答のシグナル伝達に関与していることが示唆された。
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