Project/Area Number |
12053203
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
渡邉 裕二 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (80301042)
|
Project Period (FY) |
2000
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | 軸索ガイダンス / 滑車神経 / 中脳後脳境界 / Sema3F |
Research Abstract |
本研究では発生の過程で脳の領域化遺伝子がガイダンス分子を介して神経回路の初期形成にはたらくメカニズムを明らかにすることを目指している。これまで脳の領域化に働く遺伝子の1つであるSonic hegdehog(Shh)の中脳発生における機能を調べ、中脳腹側の細胞タイプを誘導して被蓋の領域化にはたらくことを明らかにした(Watanabe and Nakamura,2000)。 この胚では、Shhの強制発現により多数の運動神経が異所的に形成される。その軸索走行を調べると、後脳では背側へ伸長する多数の軸索が見られたが、これらは中脳-後脳境界を通過した場合にのみ反対側に伸長していた。これは正常胚での滑車神経の軸索誘導パターンを反映していると考えられる。また移植操作により異所的な中脳-後脳境界を誘導すると、滑車神経は新たに形成された境界に伸長することがわかった。これらの結果は中脳-後脳境界に運動神経軸索に対するガイダンス機構が存在することを示している。 そこで軸索ガイダンス分子として知られるSemaphorinの1つであるSema3F遺伝子をニワトリで新たに単離してその発現を調べると、滑車神経形成の時期に中脳-後脳境界において中脳側に発現することを見いだした。またSema3F分子の受容体であるNeuropilin2遺伝子は滑車神経核において発現することがわかった。実際に生体内にSema3F遺伝子全長を中脳-後脳境界で強制発現すると、滑車神経の軸索が反発された。このことから受容体Neuropilin2を発現する滑車神経は、その軸索伸張時にSema3Fによってガイドされる機構が示唆された。
|