Project/Area Number |
12053250
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 亘彦 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (00191429)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 大脳 / 視床 / 層特異性 / 標的認識 / 受容体型チロシンキナーゼ / 軸索伸長 / 発生 |
Research Abstract |
発生期の大脳皮質において視床軸索は標的である4層で特異的に枝分かれを形成しシナプス結合を作る。この層特異的な神経回路の形成機構を明らかにするために、特定の層に発現する分子を探索する過程において、EphA4レセプターが表層に発現すると共に新皮質に投射する視床部位に非常に特異的に発現することが分かった。本研究では、領域特異的・層特異的な視床-皮質投射の形成におけるEphシステムの関与を明らかにすることを目的とした。まず、EphA4レセプターに対するリガンドが、視床軸索の標的認識を制御する可能性を検討するために、発生期ラットの大脳におけるephrinリガンドの発現分布をin situハイブリダイゼーション法により解析した。その結果、リガンドの一つであるephrin-B3が大脳辺縁系において強く発現することがわかった。さらに、大脳新皮質においては発現は弱いものの、視床軸索が投射する4層を除く2/3層、5層に顕著な発現が認められた。次に、ephrin-B3がEphA4を発現する視床外側部から発する軸索伸長に対してどのような影響を及ぼすかを調べるため、ephrin-B3をタンパク分子として発現させたCOS7細胞の膜分画を作製し、この膜分画上で視床組織を培養した。その結果、EphA4を発現していない視床内側部由来の軸索がその膜分画上で成長を示したのに対して、視床外側部由来の軸索は成長はわずかであった。以上の結果から、ephrin-B3がEphA4を発現する視床外側部の軸索伸長を抑制する作用をもっており、視床外側部から大脳新皮質への領域特異的な、また大脳新皮質において4層への層特異的な投射パターン形成に重要な役割を担っている可能性が示唆された。
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