聴覚系をモデルとした抑制性神経回路機能の発達に対する神経回路活動の修飾作用
Project/Area Number |
12053256
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鍋倉 淳一 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50237583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀数 康弘 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70325520)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | グリシン / 抑制性神経回路 / クロールトランスポーター / クロールイオン / 発達 / 聴覚 / 興奮性 |
Research Abstract |
ほとんどの抑制性回路が介在神経細胞によって構成されているため生体において抑制性回路のみを選択的に活性化することは困難であるという技術的制約のため、抑制性神経回路の発達変化の制御の研究は殆ど報告をみない。この中で、聴覚系外側上オリーブ核には対側音入力がグリシン作動性抑制性として入力する。この抑制性回路の特徴を利用して、神経活動による抑制性神経回路機能の発達制御を外側上オリーブ核から急性単離した神経細胞にグラミシジン穿孔パッチ法を適用して検討した。この核に対する主要伝達物質であるグリシンは、生後1週目までは活動電位を伴う興奮性応答を引き起こし、生後2週目には細胞の過分極を伴う抑制性に発達変化した。この興奮から抑制性への変化は発達に伴う細胞内Cl^-濃度の減少によることが明らかとなった。この細胞内Cl^-濃度の発達減少のメカニズムとして、幼若期には細胞内外のNa^+濃度差に依存したCl^-の取り込みがあるために細胞内Cl^-濃度は高く保たれている。発達に伴い、細胞内外のK^+濃度差に依存したCl^-の汲みだし機構が機能的に発現するために細胞内Cl^-濃度は低くなる。この結果とCl^-汲みだしおよび取り込み機構はフロセマイドによってブロックされることから、2種類のCl^-トランスポーター(K^+-Cl^- cotransporter(KCC)とNa^+,K^+-Cl^- cotransporter)機能の発達変化による細胞内Cl^-濃度の低下が、グリシンの興奮性から抑制性への変化の原因であることが判明した。この細胞内Cl^-濃度調節機構の発達変化は聴覚発生直前に内耳を破壊し、聴覚依存性入力を遮断すると抑制され、神経細胞に特異的に発現しているKCC2mRNAの発現が内耳破壊動物では成熟後も障害された。特に、同側内耳破壊によって聴覚依存性グルタミン酸作動性入力を遮断した動物では細胞内Cl^-濃度調節機構の発達障害は著明であった。以上のから、抑制性伝達物質応答は神経回路入力活動、特に発達期の興奮性入力によって制御されていることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)