Project/Area Number |
12053261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
宮川 博義 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (90166124)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2000: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 海馬錐体細胞 / 樹状突起 / 複合スパイク / Ca^<2+>イメージング |
Research Abstract |
樹状突起は従来、受動的な膜特性を有すると考えられていたが、近年の研究によって樹状突起には多様なイオンチャネルが分布し、能動的な性質を持つことが明らかになってきた。樹状突起からのホールセル電位記録によって、細胞体や軸索上で見られる活動電位と同様のスパイクが樹状突起で発生していることが多くの細胞について報告されている。樹状突起で観察されるスパイクには細いスパイク(通常の活動電位)と太いスパイク、またその2つが重なった複合スパイクが存在する。本研究では海馬CA1錐体細胞樹状突起からホールセル電位記録と高速Ca^<2+>イメージングを同時に行うことにより、、複合スパイクに伴う細胞内Ca^<2+>濃度上昇の空間分布を観察し、複合スパイクの発生部位を明らかにするとともに、複合スパイクの脱分極相、再分極相、過分極相に関与する電流成分を解析した。 複合スパイクがNa^+チャネルの阻害によって消失したことから複合スパイクの発生にはNa^+電流が必須であるが、複合スパイクに伴って大きな細胞内Ca^<2+>上昇が起き、電位依存性Ca^<2+>チャネルを阻害することで複合スパイクが消失することからCa^<2+>電流も複合スパイクの発生に必須であると考えられる。従って、複合スパイクの立ち上がりの部分はNa^+電流とCa^<2+>電流の両方からなると推測される。複合スパイクは細胞体近傍ではなく、尖端樹状突起全体において発生していた。本研究により、海馬CA1錐体細胞尖端樹状突起の遠位部においても、複合スパイクに伴って細胞内Ca^<2+>上昇が起こることが明らかになった。この部位は樹状突起が多岐に枝分れをしている場所であり、この部位でCa^<2+>上昇が起こることは、個々の樹状突起側枝が能動的に演算過程およびシナプス可塑性に関わっていることを示唆する。
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