Project/Area Number |
12202017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飯野 雄一 東京大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (40192471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國友 博文 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (20302812)
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Project Period (FY) |
2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2000)
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Keywords | poly(A)結合タンパク質 / 生殖腺特異的遺伝子 / 不捻表現型 / RNAi法 / 逆遺伝学 / Ras-MAPキナーゼ系 / 嗅覚 / 化学走性 |
Research Abstract |
ゲノムプロジェクトで同定された多くの未知遺伝子の機能を理解するためには、注目する細胞・組織に発現する遺伝子についてできるだけ網羅的に機能解析を行うアプローチが有効であると考えられる。モデル生物として利点の多い線虫を用いてそのような手法の検討と実験系の開発を試みた。 (1)まず生殖腺に注目し、生殖に必須な遺伝子の同定を行った。cDNAサブトラクション法と小原らのcDNA high density gridフィルターを用いたディファレンシャル・ハイブリダイゼーションにより、生殖腺に特異的に発現する遺伝子を同定した。うち168遺伝子についてRNAi法による機能阻害を行った。この結果、約9%に当たる15遺伝子が不捻の表現型を示し、13遺伝子が胚致死、8遺伝子が幼虫致死を示した。 (2)つぎに、神経系で機能する遺伝子の機能解析を行うための基盤として、化学走性行動をもとにした神経可塑性のアッセイ系の構築を行った。 (3)さらに、化学走性のアッセイによりRas-MAPキナーゼシグナル伝達経路が嗅覚に関与していることを見いだした。匂い物質イソアミルアルコールを野生型の線虫に与えると、10秒以内に嗅覚神経でMAPキナーゼが活性化された。この活性化は環状ヌタレオチド依存性チャネルTAX-2/TAX-4や電位依存型カルシウムチャネルのサブユニットUNC-2の機能に依存していた。 (4)細胞特異的プロモーターを用いてタグをつけたpoly(A)結合タンパク質を発現させ、in vivoでmRNAとクロスリンクしたのちにタグを手がかりに精製を行い、特定の細胞由来のmRNAのみを回収する方法の開発を試みた。パイロット実験レベルで良好な結果を得た。
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